イラっとしたら刺す!上司のブードゥー人形が職場の士気を高めることが判明(カナダ研究)
理不尽な要求、不公平、残業込みでも終わりの見えない仕事量、職場では様々な困難が待ち受けている。特にストレスの元凶となっているのは過度なプレッシャーや上司からのいじめだそうだ。
英安全衛生庁によれば、年間1200万人以上のイギリス人がストレスや不安症のために休職を余儀なくされているという。
これは由々しき事態である。そこで専門家は、その怒りをブードゥー人形にぶつける方法を提案している。
従業員が不満を感じた時、上司のブードゥー人形を作って針で刺してもらうと、ストレス解消になり、仕事のパフォーマンスが向上するという驚きの結果が得られたのだ。
・象徴的な復讐で不満を3分の1低下させられる
カナダ、ウィルフリッド・ローリエ大学のリンディー・リャン博士が行った、アメリカとカナダの労働者229名を対象とした研究では、「象徴的な復讐」を行うことで不当だという気持ちを3分の1低下させられることが分かった。
復讐という行為はあまり良く思われないだろうが、研究者によれば、この発見は「被害者の視点から見た復讐のメリットが見過ごされてきた」事実を浮き彫りにしている。
・ブードゥー人形は従業員を救う
リャン博士は、ブードゥー人形は従業員を救うとコメントする。
「変な話かもしれませんが、シンプルで無害な象徴的復讐行為によって気分を晴らすことができます。ヴードゥー人形でなくても、上司の写真にダーツを投げるなど、理屈の上では象徴的復讐になるものなら何でも構いません」
そう、我々の文化なら藁人形なんかでも最適だ。
実験参加者はDumb.comのオンライン・ブードゥー人形プログラムを使った。このサイトでは人形に上司の名前をつけ、針を刺したり、ロウソクで炙ったり、ペンチでつねったりできる。
・ヴードゥー人形の起源はイギリス?
ヴードゥー人形はアフリカや南北アメリカに由来があるように思われているが、初期の記録からは実は中世のイギリスに起源があることが示唆されている。
この時代の人は、「ポペット(poppet)」という魔女のぬいぐるみや彫刻を作り、憎い相手を苦しめたり、呪いを解いたりするために人形に針を刺すことがあった。
このポペットは後にアフロ・カリブ系ブードゥー教と誤って結び付けられた。
・不満がたまったら爆発する前に人形に報復を
リャン博士らが今回の実験を試みたのは、不当に扱われていると感じる人は相手に食ってかかるようになり、それが復讐の応酬につながってしまうことがあると以前の研究が示していたからだ。
「嫌な上司に実際に報復するのではなく、無害な代替行為で対応できないか調べようと思いました」
研究では、まず参加者に嫌な上司とのやり取りを思い浮かべてもらってから、一部が抜けた単語を完成させるという課題を行ってもらった。ただし、参加者の一部には、課題に取り組む前にブードゥー人形で復讐をしてもらった。
すると復讐をしたグループは気分がスッキリしたようで、課題の成績が良好だった。
・呪いの人形は個人だけでなく組織全体にメリット
論文では、正当に扱われているという感覚が従業員のパフォーマンスに重要であることを鑑みれば、復讐は被害者個人のみならず、組織全体にとってもメリットがあるとまとめられている。
ということで、我々は面倒な準備をすることなく簡単に呪いの人形を手に入れることができる。そう、スマホアプリだ。
呪いの藁人形という最適の無料アプリがある。藁人形に呪いたい人の名前をいれて、クギをズシンズシンと刺していくのだ。
iPhoneユーザーはこちら、Androidユーザーならこちらからダウンロード。さあ、つもりに積もった恨みつらみを今そこで晴らすのだ。
References:The Leadership Quarterly / telegraph/ written by hiroching / edited by parumo