秋津壽男“どっち?”の健康学「睡眠不足解消のための“寝だめ”は意味がある?脳へ十分な休息を与えるための質のいい睡眠とは」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

 レム睡眠中の脳は起きている時以上に活発に動いています。レム睡眠が過剰に増えると脳が十分な休息をとることができず、かえって疲れやすくなってしまうのです。脳の疲れを癒やす「深いノンレム睡眠」をしっかりととることさえできれば60~70%は疲労回復できます。

 また、睡眠時間が9時間以上の人は認知症になりやすいとの説があります。研究により、長時間の睡眠は脳を老化させ、記憶力と意思決定能力が下がることがわかっています。他にも、長時間布団に横になっていることで体の血流が悪くなり、脳に十分な酸素と栄養が行き渡らなくなってしまうことも認知症の一因とも言われています。

 どうしても慢性的に睡眠不足の人は、可能なら15時までの間に15分から20分ほど昼寝をすることをオススメします。そうすれば、睡眠負債は和らぎます。睡眠負債に対する「先取り返済」と考えてください。さらに、眠れないからといって、お酒を飲んで寝る人も少なくないでしょう。しかし、寝てからもアルコール分解を余儀なくされるため、体を休めてはくれません。寝酒もやめたほうが、いい睡眠がとれるでしょう。

 短時間の睡眠時間を余儀なくされると、休日は眠れるだけ寝たくなりますが、それでも必ず目は覚めます。目が覚めたその瞬間こそ、自分の体に合った睡眠時間なのです。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「睡眠不足解消のための“寝だめ”は意味がある?脳へ十分な休息を与えるための質のいい睡眠とは」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2018年 3/22号“どっち?”の健康学秋津壽男睡眠不足睡眠社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
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