トラックのフロントグリルに引っかかったまま数十キロ。ほぼ無傷で救出されたラッキーなノスリ(アメリカ)

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トラックのフロントグリルに引っかかったまま数十キロ。ほぼ無傷で救出されたラッキーなノスリ(アメリカ)
トラックのフロントグリルに引っかかったまま数十キロ。ほぼ無傷で救出されたラッキーなノスリ(アメリカ)


 今年2月中旬のこと、アメリカ・ウィスコンシン州の "Humane Animal Welfare Society of Waukesha" で働くマーク・ヘスさんのところに、動転した運転手から電話がかかってきた。トラックの前面に鳥が引っかかっている、というのである。

 仕事柄、ヘスさんは動物が保護される現場に何度も立ち会ってきた。しかし、そんなヘスさんでも、これほどラッキーな例は初めてだった。

 もちろん、トラックに引っかかってしまったこと自体は幸運とはいえない。だが、そのタカ科のアカオノスリ(red-tailed hawk)は、フロントグリルに挟まった状態で州間高速道路を数十キロメートルも運ばれていたのである。

 しかも、ただ生きのびていたというだけではなく、ほとんど無傷だったのだ。

・トラックとノスリの接触事故

 助けを求めてきた運転手は、州間高速道路を時速110km超で走っていた。走行中に、トラックの前にノスリが降りてきたことは覚えていた。しかし、そのノスリがトラックにぶつかったということには気がつかなかったのだ。

 しばらく走ってから休憩のためにトラックを停め、そこで初めて、ノスリがフロントグリルに引っかかっていることがわかったのである。

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image credit: Wildlife In Need Center

・強運のノスリ、ほぼ無傷で救出に成功

 救出に必要な道具を持ってすぐさま駆けつけたヘスさんは、最悪の事態をも覚悟していた。経験上、同様の事故に遭った生き物は、ひどいケガのために生き延びられなかったからだ。

 ヘスさんは3~4分でフロントグリルを切り、ノスリを救助することに成功した。

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image credit: Wildlife In Need Center

 「多少とも落ち着いたあとでは、ノスリは自分の脚でしっかりと立っていました」とヘスさん。「コンディションは全体的にとても良好に見えました。とりわけ、そんな高速で走っている車にぶつかった後としては...」

 意外かつ嬉しいことに、ノスリは骨折ひとつしていないようだったのである。

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image credit: Wildlife In Need Center


・ただいまリハビリ中

 ヘスさんは、ノスリをワイルドライフ・イン・ニード・センターという野生動物専門の保護施設に運び込んだ。

 センターではレントゲン写真が撮られ、ヘスさんの診断が正しかったことが判明した。幸運なノスリの骨は、一本たりとも折れていなかったのである。

 その他にも特に大きなケガはなく、ぶつかった衝撃で多少の腫れがある程度だった。ノスリはセンターに引き取られ、「グリラー」と名づけられた。



 センターの教育コーディネーター、アレックス・シュレヒト氏によると、グリラーは歩き回れる程度の大きさのケージの中で、身体の腫れが引くまで数日間治療を受ける。その後はもっと広い囲いに移り、問題なく飛べるかどうかの確認が行われる。

 グリラーの飛行能力が標準並みに戻ったら、生き餌が与えられる。自力で狩りをして生き延びる能力が戻っていることを確かめるためだ。

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image credit: Wildlife In Need Center

・再び大空へ

 現在のところ、グリラーはエネルギーに満ちており、よく食べ、健康状態は非常に良好だそうだ。身体の腫れも引きつつあり、数週間後には野生に返せる見込みである。ヘスさんはその日を待ちわびている。



 「これまで、交通事故に遭った動物はたくさん救助してきましたが、こんなに運がよかったのは、他にはいませんでした」とヘスさん。「生きていたのは奇跡です。グリラーが再び大空へ羽ばたく日が楽しみですよ」

References: The Dodo / Facebook など / written by K.Y.K. / edited by parumo
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