トランプ政権を揺さぶる「ロシアゲート疑惑」その本当のヤバさ (2/3ページ)
■子飼いのスタッフを政権中枢に送り込んだ「ロシア疑惑」の本当のヤバさ
ところでこの「ロシア疑惑」、実際のところ何が「ヤバい」のだろうか。
一国のトップを決める選挙の結果に影響を与えようと、対抗勢力である別の国家が暗躍したことだろうか?
それとも、一国の大統領が外国に弱みを握られた(とされる)ことだろうか。
または、疑惑の捜査を進めていたFBI長官を当のトランプが解任したことで、アメリカ最強の法執行機関の独立が脅かされていることだろうか。
上のどれもが重要な問題なのは間違いないが、「ロシア疑惑」全体の印象がぼやけてしまうのは、「そもそもロシアはトランプを大統領にすることで何がしたかったのか」が抜け落ちたまま、疑惑だけが独り歩きしているからだろう。
ハーディングによると、ロシア(=プーチン)が米大統領選でトランプを勝たせる第一の目的は、長年続いているアメリカからロシアへの経済制裁を終わらせることにあった。そこで利用されたのが、トランプ政権発足時に国家安全保障担当補佐官に起用されたマイケル・フリンである。
2017年まで駐米ロシア大使だったセルゲイ・キスリャクとの度重なる接触が問題視されているフリンは、2013年以降、度々政府の招きでロシアを訪問し、メディア出演による報酬を受け取っていたこと、アメリカ国内でロシアの利益を代弁する講演を行い、報酬を受け取っていたことがわかっている。
象徴的なのが2013年、モスクワに招かれて行なった「リーダーシップに関する講演」である。少しでも国際情勢を知っている人であれば、アメリカ国防総省の上級軍事情報将校(当時)が「リーダーシップ」について話をするためにロシアに招かれることが通常であれば考えられないことだとわかるはず。どう考えても普通の関係ではないのだ。
そのフリンとキスリャクの接触で何が話されていたか。当然、フリンは制裁についての話題が出たことを否定したが、その直後、ニューヨーク・タイムズ紙が政府当局者らの言葉から、二人の会談で制裁の話題が出ていたことをすっぱ抜いた。