正面広場エリアの定点観測。チーフス戦の光と影。 (2/2ページ)
この日のサンウルブズは、遠征先の南アフリカでおこなわれた第5節ライオンズ戦から、先発メンバーを11人変更していた。
この大幅なメンバー変更について、サンウルブズのジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ(HC)は、海外遠征帰りで複数選手に時差ボケなどの影響が残っていたこと、チーフス戦へ向けた試合週の準備期間が「3、4日しかなかった」(ジョセフHC)こと、また怪我人の存在など、複数の理由を挙げた。
時差ボケについて、この日フルバックで先発した野口竜司は「ちょうど昼ごろ、移動のバスなどでけっこう眠くなったりします」。
チームドクターやS&Cコーチの助力を得て、帰国前から時差ボケに対する準備をしたが、それでも帰国2日後くらいまでは影響を感じたという。
チーフス戦の試合週は天候にも恵まれず、遠征メンバーが合流した火曜日(3月20日)は、悪天候により午後の練習が中止に。翌21日は、関東の広い範囲で積雪があった。
LO姫野和樹は試合後、率直にこう打ち明けていた。
「準備期間が少しなかったとは思います。時間がありませんでした。南アから帰ってきて、南アでやってきたことをチームに落とし込んだりとか――。(チーフス戦へ向けて)今週やることもやらなきゃいけないですし。そういったところで準備不足だったのかなと思います」
もちろん準備不足だけが敗因ではないことは、選手自身が骨身で感じている。
LO姫野はチーフスメンバーの能力について「オフ・ザ・ボールのところでもずる賢いですし、フィジカルもありますし、フォワードもパスが多彩」と実感を語った。
HO堀江翔太は、成功率75%だったラインアウトについて「全員が能力を向上したほうがいいと思います」と話した。
やるべきことはまだまだある。
午後5時すぎ、夕闇の迫る秩父宮の正面広場エリア。選手の出待ちをするファンがずらりと並んでいた。この日NO8で先発したヴィリー・ブリッツ共同主将らが、柵越しに黙々と握手、サインに応じている。
それがこの日見た最後の正面広場エリアの光景だった。
試合終了から実に約2時間が経っていた。
(文/多羅正崇)