最期にもう一度おじいさんと愛犬を再会させてあげたい。看護スタッフが一丸となってその望みを叶えた(スコットランド)
ピーター・ロブソンさんは、スコットランドのダンディーにあるナインウェルズ病院で、最期のお迎えが来るのを待っていた。
ピーターさんは自分の人生に満足していた。最期を迎えるに当たって、病院のスタッフもとてもよくしてくれているし、何も不満はない。
本来なら心安らかに旅立てるはずだったが、ピーターさんにはあと一つだけ、最後に叶えたい望みがあった。それは、愛する家族の一員、ボーダーコリーのシェップにもう一度だけ会うことだったのだ。
・入院で愛犬と離ればなれに
シェップがピーターさんの元に来たのは8年前、ピーターさんの妻が亡くなった後のことである。それ以来、ピーターさんはシェップを伴侶としてきた。
しかし、肺の繊維症で入院することになり、ピーターさんは、もう二度とシェップには会えないだろうと覚悟を決めていたのである。
・どうしても再会させたい。家族はダメ元で頼んでみたら
ピーターさんの最期がいよいよ近くなった日のことである。看護スタッフが、病人のために用意したいものは何かあるか、と家族にたずねた。
そこで家族は、シェップのことを話した。ここが病院であり、動物を連れて来ることが禁止されている以上、当然拒否されるだろうと思いつつも。
しかし、そのわずか20分後のことだった。病院はシェップを病室に入れる特別許可を出し、連れてくるようにと家族に告げたのである。
そしてピーターさんはシェップと再開を果たすことができたのだ。
シェップとの再会できたことで安心できたのだろうか。
その日のうちに、ピーターさんは旅立っていった。享年70歳。
・再会を裏から支えたスタッフの働き
動画を撮影したのは、ピーターさんの孫のアシュレイ・スティーヴンスさんだ。アシュレイさんは動画をフェイスブックに投稿し、ナインウェルズ病院第3病棟のスタッフに感謝と賛辞を送っている。
今日、ナインウェルズ病院のスタッフの皆さんがしてくれたことに、本当に驚き、感動しました。 祖父をとても幸せにしてくれた。第3病棟の主任看護師のシェリル・ホワイトさん、あなたは間違いなく天使よ!私たちは永遠に感謝します。 この病院に、どんなに素敵な看護師とスタッフがいるか、みんなに知ってほしいのです。
祖父との大切な思い出をシェアしてくれてありがとう。死に当たってとてもよくしてくれたスタッフの皆さんに、それに値するだけの注目と賞賛を受けたことを、祖父は喜んでいると思います。祖父の話すことといったら、スタッフがどんなによく、自分の望む以上のことをしてくれたか、ってことばかりなんですもの。
患者の最後の願いではあっても、病院に犬を入れるのは簡単なことではない。愛犬との再会が可能になった裏には、スタッフの迅速かつ的確な働きがあったのだ。上司に当たるマッカラム上級主任看護師も、看護チームの働きを称えている。
「チームは、同僚たちと一体となって感染症の防止に手を尽くし、今回のことを実現可能にしたのです。ロブソン氏とご家族に、単なる慰め以上のものをもたらしてくれたことについて、感謝してもしきれません」
第3病棟のスタッフ

image credit: BBC Scotland
References: The Dodo / BBC など / written by K.Y.K. / edited by parumo