野村克也×江本孟紀「2018プロ野球開幕“ど真ん中大放談”」(6)石原裕次郎と同じ主治医に (2/2ページ)

アサ芸プラス

日本の平均寿命は世界一だって言うけど、寝たきりの人も入れてですから。元気なままでいる、という人はなかなかいない。

──「ピッチャーは泣き言が言えない」とおっしゃった江本さんらしからぬ弱音ですが、逆にキャッチャーの方々は、どんな気質なんでしょうか。

野村 それはもう、弱音ばっかりですよ。

江本 性格も正反対ですからね、ピッチャーとキャッチャーは。

野村 誰が言ったのかねえ、キャッチャーを“女房役”と呼ぶでしょ。まさにそのとおりですよ。功は人に譲れ、でね。たたえられるのは常にピッチャーです。完封しても、ヒーローインタビューはピッチャーでしょ。キャッチャーとしては、「ナイスピッチング」って握手して、ベンチでプロテクターを外しながらインタビュー聞いてると、「何ぬかしとんねん」と思うんです。「サイン出したのは俺やないかい」っていう思いがある。それがキャッチャーだね。陽が当たらない。

──ピッチャー代表として、江本さんはこの意見をどう思われますか。

江本 うーん、たぶんピッチャーはね、功を人のおかげと思わない性格なんですよ。だから、全部自分のおかげだと思ってる。で、やられた時は人のせいにする。わはははは。

野村 「地球は自分中心に回ってる」というのがピッチャーですよ。金田さんを見たらよくわかるじゃない。

江本 ごもっともです(笑)。

野村 あれこそ典型的なピッチャーだよ。

江本 金田さん、今でもたまに会いますよ。

野村 元気だね、あの人は。

江本 いやいや、ひざも悪いし、何回も手術してますよ。ただ、野村監督もですけど、我々とは違う球界の「化け物」みたいな方々は、放っておいても100歳まで生きると僕は思ってますけれども(笑)。

野村 やかましいわい(笑)。

野村克也(のむら・かつや) プロ野球史上初の捕手三冠王にして、安打、打点、本塁打、出場試合数のいずれも歴代2位の記録を持つ。南海、ヤクルト、阪神、楽天の監督を歴任し、球界随一の知将として輝かしい成績を残した。

江本孟紀(えもと・たけのり) 70年に東映フライヤーズに入団。翌年、南海に移籍すると野村監督に才能を見いだされ活躍。プロ通算113勝で81年に引退する。92年から参議院議員を2期12年務め、現在は独立リーグ・高知ファイティングドッグス総監督。

「野村克也×江本孟紀「2018プロ野球開幕“ど真ん中大放談”」(6)石原裕次郎と同じ主治医に」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2018年 4/12号江本孟紀野村克也星野仙一プロ野球スポーツなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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