イギリス軍が装備重量削減を狙ってL110 5.56mm軽機関銃を廃止 (1/3ページ)

ミリタリーブログ

イギリス軍が装備重量削減を狙ってL110 5.56mm軽機関銃を廃止

Photo from UK Ministry of Defence
多くの将兵が弾幕によって敵の行動を抑制する軽機関銃は歩兵の心強い味方であると語っているが、イギリス軍は5.56mmの軽機関銃、FN製L110(FN MINIMI)の廃止を決定し、2018年末の陸軍司令部の最終判断を待つこととなった。 L7A1 (FN MAG) 7.62x51 mm汎用機関銃は使用が継続される。

関連記事:
イギリス陸軍の小隊火器の見直し
FN製L110の廃止は2013年から2015年まで3年に渡って行われたPCE(Platoon Combat Experiment……小隊戦闘実験)を通じて決定された。PCEは装備から人員構成、訓練まで、あらゆる面から小隊の在り方を検証するものであるが、FN製L110はPCEの1年目からその存在に疑問符がついた。

歩兵が携行する荷物は最大40kg、突撃時は20kg以下が望ましいと言われている。しかしアフガニスタンに派遣された兵士は平均体重の8割以上となる58kgの荷物を携行しており、装備の軽量化が喫緊の課題であった。

そうした中、L110による支援射撃は弾薬の70%が無駄に消費されていたことが明らかになった。これはFN社が400メートルとしていた有効射程が、検証の結果わずか250メートルと非常に短かく、多くの弾丸が届いていなかったためである。弾幕による制圧には大量の弾薬が必要であるが、これらのほとんどが無駄になるというのは、装備の軽量化の観点からは大問題といってよい。

これは他国軍でも同じことが指摘されている。近年はアメリカ海兵隊のM27 IARにみられるように、弾幕を張るよりもセミオート狙撃銃でピンポイントに弾丸を送り込むほうが有効性が高いという論が増えている。
「イギリス軍が装備重量削減を狙ってL110 5.56mm軽機関銃を廃止」のページです。デイリーニュースオンラインは、海外などの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧