経営コンサルタントが感銘を受けたタクシー運転手の言葉とは (2/2ページ)

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46年間もタクシーの運転手をやっているからこそのこの言葉は、「分からない」ということが「わかっている」ということだ。これが「本当に分かる」というとだと小宮氏は考える。自分が分かっていることと、分からないことを分ける。そこから学びや発展が生まれるのだ。

■気持ちよく話をしてもらうための方法とは?

では、小宮氏が運転手さんとどのように会話しているのか。
相手に気持ちよく話してもらうためにいくつか気を付けていることがあるという。

まず行き先を言う。どこから乗っても家に帰るときは自宅のある「世田谷に行ってください」と言う。それから、どういうルートで言ってほしいかを言う。およそいくら稼げるかは、行き先が近いか遠いかで決まる。なので、ある程度、稼げることが最初に分かれば、運転手さんはひとまず安心し、話をする余裕が生まれる。

次に、気を付けているのは、答えやすいことから聞くこと。地方なら、天気やその土地のこと。東京なら「この車の車庫はどこですか」と聞く。こうして話しやすい話、答えやすい質問をすることで会話の流れをつくりながら、ほめるところを探す。ほめられると、人は嫌な気はしないので、口が軽くなる。

また、運転手さんに何かを教えてもらうというのも気をつける点だそうだ。教えるほうは、教えているうちに相手より優位に立った気がしてくるもの。運転手さんに優越感を少しもってもらうことで、さらにさまざまな話を聞けるのだという。
そして、小宮氏も少しずつ自分の話をするようにする。そうすると「この人は自分のことを開示する人だ」という印象を与える。相手が自分のことを話す人だと、自分の話をしてもいいかなとバリアが解けやすくなるのだ。

タクシー運転手さんのたわいのない話には、成功者のそれと同じくらい、深く、含蓄があり、仕事や経営、人生において大事にしたい考え方や忘れたくない美徳、そして自ら省みるきっかけとなることも、たくさん内包されていると小宮氏は述べる。

タクシー運転手さんと会話をする機会があったら、その会話をぞんぶんに楽しんでみてはいかがだろう。

(新刊JP編集部)

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