金正恩「米朝首脳会談」で大どんでん返し非核化拒否!

週刊実話

金正恩「米朝首脳会談」で大どんでん返し非核化拒否!

 5月末に行われる見通しの米朝首脳会談最大のテーマ“北朝鮮の非核化”に対し、金正恩党委員長が4月8日“朝鮮半島の非核化”の意思を直接、米政府に伝えた。あくまで北はリビア方式の非核化に応じる考えはなく、補償と支援との交換で実施する意向のようだ。
 「正恩委員長は非核化をチラつかせてはいますが、実際には『行動対行動』『約束対約束』の原則にこだわりながら時間を稼ぎ、パキスタンのように事実上の核保有国として容認されることを目指していたはずです。金日成から正日、正恩と親子3代が半世紀にわたって核ミサイル開発に注力してきた国が、正恩委員長自ら語った“核の宝剣”をいとも簡単に手放すとは考えられないからです」(安全保障アナリスト)

 リビア方式とは、核兵器開発計画を推進していたリビアの独裁者カダフィ大佐(当時)が、米英から《非核化を先行させ、その後に制裁の解除などを行う》という一連のプロセスを突き付けられたことを指す。カダフィ大佐は、正恩委員長が主張する「行動対行動」「約束対約束」という方式を採らず、核開発計画を支援より先に放棄した。その結果、自国民の手によって“斬首”されてしまった。
 正恩委員長は、この二の舞いを絶対に避けたい。言い換えれば、核兵器を手放した金王朝は、遅かれ早かれカダフィ政権と同じ運命をたどるという恐れを抱いている。

 北朝鮮が目指す朝鮮半島の非核化はこうだ。
 在韓米軍の戦術核兵器は、南北非核化共同宣言に基づき1992年に撤去されている。だから、朝鮮半島に存在する核は北製だけだ。つまり米軍による韓国の核の傘を外せと要求しているわけで、それは在韓米軍の撤退を示唆している。
 「やっかいなのは、リビア方式を採るも何も、北朝鮮は当時のリビアとは比べ物にならないほどの“核レベル”に達していることです。実際、ボルトン新大統領補佐官も国連大使時代の2007年、リビア型非核化を北朝鮮に適応するのは難しいとの考えを示しています。それから10年以上経過した現在では、北の大量破壊兵器開発計画はストップできる段階を越えているわけで、トランプ政権も北側がリビア方式を受け入れないことを承知しているはず。米国は交渉に入る段階で、非核化の言質を取るという“入り口論”なのに対し、北朝鮮は“出口論”(交渉の最終段階で非核化を実現する)ですから、両国は全くの反対方向を向いている。これで会談に入れるとは思えません。ですからトランプ大統領は『会談を決裂させたのは北朝鮮だ!』として、中間選挙を控えた折でもあり“勧善懲悪”という米国民に分かりやすい展開を狙う可能性があります」(国際ジャーナリスト)

 トランプ政権があっさりと「米朝会談OK」とした腹の内は、軍事オプションをチラつかせながら北朝鮮を追い詰めれば、会談の入り口で非核化に向けた合意文書を作れると読んでいたフシがある。この方針を支えたのは、中国は少なくとも北朝鮮に味方しないという米中合意が半ば詰められていたことだ。
 「ところが、米朝会談の前に中朝首脳会談が実現してしまい、中国は北朝鮮との同盟関係を維持する可能性が出てきました。もしそうなれば、北朝鮮に対する軍事的恫喝効果は薄れるし、同時に中国が北への経済制裁を緩めれば国連の制裁効果も一気に廃れます。実際、中朝国境の北朝鮮経営のホテルやレストランの営業は再開したようですしね。とはいえ、中国は最後には正恩を裏切るでしょう。中国としてはトランプ政権から“通商カード”で目一杯脅されているので、この拳を何としても降ろさせたい。そのために正恩を米国に売り渡すに違いありません。その後、正恩政権を排除し、北を完全属国(緩衝地帯)にしてから非核化が実現されるのではないでしょうか。あの習近平が、これまでに散々恥をかかされた正恩をあっさり許すはずはないのです」(同・ジャーナリスト)

 このところの正恩委員長は気持ち悪いほど融和ムードを演出している。韓国の文在寅政権発足から3カ月後の'17年8月には「ソウルを火の海にする」と脅迫し、秋には核実験とミサイル発射を続けざまに行い、いつ戦争が起きてもおかしくない状況を作っていた。
 それがコロッと変わったのは二つの理由からだ。まず、国際社会の経済制裁が効果を上げてきており、ただただゼニが欲しいため。もう一つは「核武力完成」を宣言し、米国をビビらすだけの抑止力を確保したと自信を付けたことだ。
 「3月5日に平壌で韓国特使団と夕食を共にした李雪主夫人は、正恩委員長を『チェ・ナムピョン(私の夫)』と呼んだそうです。こうした普通の呼び方は極めて異例で、これまでは『元帥様』でした。国際社会の視線を意識し“普通の国家”を演出したとみられますが、これらはアダになるかもしれません。というのも正恩委員長はトランプ政権に追い詰められ、北朝鮮問題では後手に回っていた旧宗主国の中国に助けを求めてしまった。これを『リーダー失格』と見なした国内の反勢力が、チャンス到来と動き出すかもしれないからです」(北朝鮮ウオッチャー)

 そうなれば、自国民から“リビア方式”で斬首の憂き目に遭うか、もしくはルーマニア革命で夫婦そろって銃殺されたチャウシェスク大統領と同じ轍か、そのどちらかだろう。

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