歴史に秘められたニッポンの「陰謀論」を解け!(4)知られざる「太平洋戦争」の真実 (2/2ページ)

アサ芸プラス

だが、その日時を把握していたと思われる第三の勢力──それこそが、真珠湾“奇襲”攻撃の謀略的黒幕と言えるかもしれない」(前出・斎藤氏)

 驚愕すべき話だが、ズバリその存在とは誰なのか。

「それはイギリスです。日本とイギリスは真珠湾と同じ日、マレー半島への日本軍上陸をもって交戦状態となった。イギリスはアメリカ以上のインテリジェンス大国でMI6のような優秀な諜報機関を持っている。アメリカが把握できなかった真珠湾攻撃の日時をつかんでいた可能性がある」(前出・斎藤氏)

 MI6といえば、あのジェームズ・ボンドが(仮想の上で)所属する世界屈指の諜報機関だ。確かに、極秘情報をつかんでいても不思議ではないが、なぜ、同盟国であるアメリカに知らせなかったのだろうか。

「時の首相にして策謀の人、チャーチルの意向だと思う。当時、イギリスはヒトラーのナチスに押しまくられ、どうしてもアメリカの参戦が必要だった。そのためには、アメリカを本気にさせなければいけない。それが、奇襲察知をスルーした最大の理由になる」

 まさに、権謀術数渦巻く国際政治の本領発揮だ。しかし、このような冷徹な陰謀は真珠湾だけで行われたわけではない。

 1928年6月4日にも、不可解な陰謀が繰り広げられている。それが、中華民国・奉天(ほうてん)(当時)近郊で起こった軍閥の指導者・張作霖(ちょうさくりん)爆殺事件である。これは当時、「親日派」と目された張作霖が列車で移動中に爆殺され、そのことに激怒した日本軍部が中華民国に対して宣戦布告に動いていく‥‥という出来事だ。

「張作霖爆殺は、関東軍の謀殺という見方、あるいは中華民国の仕業、さらには中国共産党軍の謀略とさまざまな説が流布されている。どれをとっても陰謀であり、真相は藪の中だ。しかし、最終的に誰が得をしたのか、ということを考えなければいけない。それが最大のヒントになる」

 そう語る斎藤氏は、誰が得をしたかについてはあえて言葉を濁したが、こう話してくれた。

「当時、瀕死の張作霖が現場で『日本軍にやられた』と遺したと言われている。しかし、実は彼は病院に運ばれた時は生きていた。ところが、“死んだ”ことになってしまい、実際に死が公表された。明らかに、それを望んだ者がいるということ。これが陰謀であり、国際社会の常識です」

 人の死すら、謀略の一部分とする国際政治。まさに、陰謀を凌ぐ恐ろしさである。

「歴史に秘められたニッポンの「陰謀論」を解け!(4)知られざる「太平洋戦争」の真実」のページです。デイリーニュースオンラインは、真珠湾攻撃張作霖爆殺事件週刊アサヒ芸能 2018年 4/19号ウィンストン・チャーチル太平洋戦争社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
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