秋津壽男“どっち?”の健康学「花粉症で抑えるべき症状はどっち?鼻炎症状と目のかゆみの危険性の違いとは」 (2/2ページ)

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血液中の水分や白血球が血管の外へ染み出すことが原因となって、その形状は上のまぶたの裏側にブツブツが生じ、まるで筋子や石垣状になるので、すぐに医師に診断してもらってください。まぶたの裏の浮腫は眼球に直接触れるので、粘膜に障害が起こりやすくなります。ひどい場合は腫れた粘膜が目の外に飛び出すこともあるので、結膜炎も軽視しないでもらいたいものです。

 ちなみに、アレルギー性結膜炎が長引くと白内障になりやすくなるとも言われています。80歳になるとほぼ全員がかかる白内障ですが、50代の発生率は40%強、60代で70%強です。アトピーや糖尿病などの疾患、ステロイドなどの特殊な薬の影響や外傷なども白内障の発症原因であり、平均より早めの40代で発症するケースもあります。

 一方、くしゃみや鼻詰まりは、それ以外の異状は引き起こしません。生活において鼻声になり、軽い味覚障害を起こす不便はありますが、体に異状を来すことはありません。

 目の病気にもつながる花粉症は、最悪のケースを考えると、くしゃみや鼻詰まりの比ではありません。くれぐれも花粉症の季節は目を清潔にし、汚れた手で触れぬようにしてください。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「花粉症で抑えるべき症状はどっち?鼻炎症状と目のかゆみの危険性の違いとは」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2018年 4/26号“どっち?”の健康学秋津壽男花粉症カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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