動乱の時代ともいえる幕末史を国際的な視点から描くドキュメンタリー「AIZU-目覚めよ義の心」

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動乱の時代ともいえる幕末史を国際的な視点から描くドキュメンタリー「AIZU-目覚めよ義の心」

2018年は1868年の明治維新からちょうど150年。日本各地で様々な明治維新150年記念イベントが行われているということは、歴史ファンの方ならよくご存知だと思います。しかし一般的には明治維新150年といわれますが、東北地方、特に福島県会津地方では、戊辰150年と呼ぶのが一般的なのだそうです。

その訳とは?

この度、福島県会津若松市主催、オランダ王国⼤使館共催のドキュメンタリー映像作品、『AIZU-目覚めよ義の心』が製作され、2018年4月18日(水)、東京神谷町のオランダ王国大使館でプレミア試写会が行われました。

この作品は、外交と内政の動乱の時代ともいえる幕末史を、国際的な視点から描くという斬新なもの。

幕末の日本に大きな影響を与えたオランダ・イギリス・フランス・アメリカからの目線と、内政に激しく翻弄されながらも、最後まで『義』を貫いた会津の武士道精神をクロスさせた意欲作です。

今回の試写会では、オランダの視点から会津の精神を紐解く『大義編』が紹介されました。

オランダは、約200年もの鎖国政策を行った日本にとって、数少ない海外に開かれた窓。日本はオランダとの長崎出島外交を通じて、海外情勢や蘭学や医学を知り、そしてペリー来航という天下を揺るがす一大ニュースも、1年前にオランダから知らされました。いわばオランダは、日本の発展や国防に多大な貢献を果たした恩人ともいえる国なのです。

オランダ王国大使館のバス・ファルクス氏と、会津松平家第14代当主の松平保久(もりひさ)氏が、会津鶴ヶ城、会津藩祖・保科正之公が眠る土津(はにつ)神社、代々の会津藩主が眠る院内御廟などを歩きながら、会津精神の根幹ともいえる『大義』について語りあいます。

美しい会津の自然と、深い日本への造詣を持つバス・ファルクス氏、そして松平保久氏が語る会津の歴史の重たさが、ヒシヒシと感じられる作品です。

その中で語られたのが、会津武士道をあらわす「義に死すとも不義に生きず」という言葉。つまり「義を守るために死ぬことはあっても、不義をしながら生きのびることはない」という言葉が、特に印象に残りました。

なぜ会津地方では「明治維新150年」ではなく「戊辰150年」というのか? その答えはまさにこの言葉にあります。戊辰戦争で会津が最後まで守り抜いた『義』。その代償は「会津の悲劇」として語り継がれるほど大きなものでした。しかし会津の武士道は、150年後の私達にも大きな感動を与え、未来を生きる指針として蘇るのです。

この作品では他に、『忠義編』でイギリスの目線から見た彼岸獅子による会津鶴ヶ城無血入城を、『信義編』でフランスの目線から見た白虎隊の精神を、『動義編』でアメリカの目線から見た会津藩校・日新館の教育について、描かれるということです。

テレビでは5月26日(土)にBS朝日、5月27日(日)にBS日テレ、6月2日(土)にBSフジ、6月3日(日)にBS-TBSで放送され、その後、ヒストリーチャンネル、更にYou Tubeで世界に配信されます。

『義』という言葉は日本独特のもので、日本人でもなかなか理解できない難しい言葉です。この『義』が海外の方にどう伝わるのか、非常に興味深いところです。

しかしこの作品が幕末という未曽有の国難に立ち向かった先人達の教えを学ぶきっかけになり、そこから日本の未来を考えるヒントが得られるのではないかということは、充分考えられる作品でした。

是非多くの人に見て頂きたい作品です。

日本の文化と「今」をつなぐ - Japaaan

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