100年以上前のイギリス軍用レーションを試食する勇気ある動画
Screenshot from Steve1989MREInfo
戦場にいる兵士にとって数少ない楽しみの一つが食事の時間だが、必ずしもまともなものが食べられるとは限らない。現在でもその味は賛否両論あるが、食べ物を長期保存する技術がまだまだ未熟だった時代の携帯食料はどのようなものだったのだろうか。実際に100年以上前のレーションを開封し、試食してみた人がいる。
アメリカ軍のものを中心に、世界の軍用レーションを収集する「MREinfo」の中の人「Steve1989」が、19世紀末の第二次ボーア戦争でイギリス軍が用いたレーションを紹介している。
「Emergency Ration Field Service」は補給線を断たれるなどの非常時のためのレーション。製造は現在はユニリーバ傘下のボヴリル社。同社はイギリスではポピュラーな牛肉抽出物のペースト「ボヴリル」の製造元である。普段はハバーサックの中に入れておき、上官の指示で開封する。少しずつ食べることで36時間行動できるという。
Screenshot from Steve1989MREInfo
こちらはロンドンの国立軍事博物館が収蔵しているもの。
Photo from National Army Musseum
レーションはタブで2つに分かれる。一つには牛肉のペースト。もう片方にはココアペーストが入っている。そのまま食べられるが、ビスケットに塗る、お湯を加えて煮立てるなどの食べ方が説明書きにはある。今回、ココアのほうはダメになってしまっていたため、牛肉ペーストの試食が行われた。
Screenshot from Steve1989MREInfo
100年前のものとあって水分は完全に蒸発してしまっているが「牛肉のような匂いはする」とのこと。
Screenshot from Steve1989MREInfo
味は「……泥のようだ」とのことだ。
Screenshot from Steve1989MREInfo
お湯に溶き、煮立てるとポリッジ(麦のおかゆ)のような食感になるとのこと。味は「ない」という。
Screenshot from Steve1989MREInfo
現代でもしばしば「兵士たちをハングリーにさせておくために、わざとマズくしている」という噂の耐えないレーションだが、100年前の技術で作られたものは相当マズかったようだ。現在はピザまでがレーションに含まれるようになるなど、味は少しずつ良くなっているようだがまだまだ前途は多難なようだ。
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Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201805Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。