多くの病気を招く肥満のもと 糖と脂肪の依存症の原因 (2/3ページ)
毎日の食事にしても、食べ物から摂った糖分や脂肪は、体温を保ったり脳や内臓を動かし、運動をするエネルギーに変換される。その“摂取エネルギー”と、活動するために使用する“消費エネルギー”の収支が合っていれば、人は太ることも痩せることもなく安定した状態が保てる。
「それを維持することができれば、肥満にはなりません。さらに言えば、このことはどんな体質の人でも同じメカニズムで変わりはないのです。よく『水を飲んでも太る体質』と言う人がいます。“太る”というのは余ったエネルギーを脂肪として溜め込むことですが、水はエネルギーにはならず、収支に影響を与えることはないので、水で太ることはありえないのです」(同)
前述のように、アルコールや薬物の依存症と同じで、肥満の人は前頭葉の前頭前皮質に働きかけ、過度の興奮を抑えるドーパミン受容体の数が少ないことが分かっている。
また、意思決定に重要な役割を果たす眼窩前頭皮質の機能が変化し、「食べるのをやめなくちゃ」と思っていても、脳の報酬系に支配され食欲を抑えきれなくなっている。
しかし、同じように糖や脂肪を摂り、運動もしているのに、痩せている人と太っている人がいるのはなぜなのか。
「それについては、遺伝子の影響があるとも言われています。肥満に関わる遺伝子は100種類以上見つかっており、中でも影響が大きいのが脂肪・肥満関連遺伝子(FTO)です。これは誰もが持つ遺伝子なのですが、その変異型を持つ人は肥満リスクが高まることが分かっています。英国のある研究チームの調査発表のデータよると、1つの遺伝子が変異していると肥満になる可能性が25%アップし、2つの変異があると50%アップして体重は平均3キロ重い。FTOの型の違いは脳にも影響をもたらし、食欲を抑える機能が働きづらくなり、普通の人より満腹感を感じにくいと言われるのです」(健康ライター)
さらに肥満は、腸内細菌が原因という見方もある。同じ家に育った片方は肥満で、もう一方が痩せている一卵性双生児の腸内細菌を調べたところ、後者は前者より“痩せる菌”とも呼ばれる細菌のクリステンセネラセエが目立って多かったという。この細菌は脂肪を撃退する細菌ではないかと考えられている。