“老活のススメ”スペシャル対談「弘兼憲史×加藤一二三」(4)人生の楽しみはこれから!? (2/3ページ)
弘兼さんは、引退を考えたことはありませんか?
弘兼 私もないですね。出版社に「やめろ」と言われないかぎり、描き続けるつもりです。ただ、最近は目が弱くなってきて、1時間描いたら10分間休み、また1時間描くというようにしないと焦点が合わなくなりましたけどね(笑)。願わくは、藤子・F・不二雄先生のように、仕事机に突っ伏したまま死ぬことができればいいんですが。
加藤 なるほど、いい死に方ですね。
弘兼 棋士を引退されて以後、生活はガラリと変わったと思います。実際のところ、いかがですか。
加藤 楽しいですよ。
弘兼 今までとは違う仕事ですし、戸惑うこともありそうですが。
加藤 そもそも私は若い頃からテレビや絵画もたくさん観ているし、本や旅、音楽に歴史と、大好きなことがたくさんあるんです。苦手な数学と化学以外なら、何にでも対応できます。中でも私がいちばん得意なのは、歌ですね。
弘兼 ああ、昨年、歌も出されましたね。
加藤 古坂大魔王さんのプロデュースで「ひふみんアイ」という歌を出しました。これで紅白に出るつもりでしたが、歌ではかなわず、審査員で出ることになりましたが(笑)。
弘兼 いやいや、すごい活躍ですよ。
加藤 テレビの企画では指揮もしました。小学校1年生の時に指揮をした話をしたら、将棋の天才がベートーヴェンの曲をどのように振るか興味があると言われまして、ベートーヴェンの「運命」を3分間バージョンで指揮したんですよ。
弘兼 そうなんですか。
加藤 その後、「オペラはどうですか?」ということで、テレビの前で歌って、それも大成功でした。ヴェルディのオペラ「リゴレット」で歌われる「女心の歌」。あれは名曲ですよ。