秋津壽男“どっち?”の健康学「五月病とうつ病の違いはあるのか?セロトニンの分泌がストレスを抑える」 (2/2ページ)

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他にもジョギングや水泳など有酸素運動で汗を流すのもおすすめです。気分転換になるだけではなく、運動により神経伝達物質のセロトニンの働きが脳内で活発になるので、ストレスやイライラを抑え、気分転換となります。

 食事にも気をつけたいものです。セロトニンは肉、納豆、乳製品にも多く含まれます。他にも、ビタミンCは「抗ストレスビタミン」とも呼ばれ、キャベツ、トマト、グレープフルーツに多く含まれているので、積極的に食べるようにするといいでしょう。

 加えて、日光を浴びることによってセロトニンは活発に分泌され、眠気を促すホルモンであるメラトニンの分泌を抑えます。しかも、16時間後の寝る頃にメラトニンが分泌されるようになることで、しっかりと夜に睡眠をとれるようになるのです。こうした習慣を日常生活に取り込めば、睡眠不足も解消できるでしょう。

 5月病で大事なのは「己を知ること」です。自分のできることを知り、できないことは「しかたがない」と割り切るのが肝心です。100点満点の仕事など、多くの人はできません。自分一人でできる仕事には限界があります。上手に人間関係を築くのが重要なのです。

 人生は、ある意味でいいかげんさも必要です。「サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ~」と演じた植木等さんのような世渡り上手を目指してください。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

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