これが愛媛「刑務所脱走男」23日間の「生き延びルート」だ(1)長期間逃げられた理由 (2/2ページ)

アサ芸プラス

 最初の窃盗事件の発覚は9日朝。実際に被害を受けた男性が言う。

「息子が『今にして思えば、2時半から3時くらいに物音がした』と言っていた。たぶんその時、ケータイや車の鍵などが盗まれたのだと思います」

 盗難品は主に居間に置いてあった。一枚扉を挟んで被害者夫婦は寝ていたという。このあたりは鍵をかける習慣があまりない。平尾受刑者は大胆にも正面から家に上がり込んで物色していたのだ。

 実際に試してみたが、スライド式の扉は音を立てずに開けられた。

「朝になって息子夫婦の財布が消えていた。外に出たら、私のカバンが外のバイクに立てかけてある。車の助手席には財布が置いてあった。警察に来てもらったら、財布は現金とガソリン券だけが抜かれていました。結局、車はキーが盗まれただけだった」(被害男性)

 この住宅は起伏の激しい高台にある。その地形から車両を出すにはバックや切り返しなどのくふうが必要。初見では動かし方に難儀して諦めたようだ。

 以降、4月13日まで岩屋山を中心に半径およそ1キロ圏内で、7件の窃盗事件が頻発することになる。

 山に近い住宅にはイノシシよけのフェンスがあった。一度、山中で便をした跡が見つかり、犯人潜伏の証しかと思われたが、結局、動物のものだったという騒ぎも起きた。平尾受刑者はケモノの影におびえながら、一人、山中で過ごし続けたのだろうか。

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