全国に広がる「新幹線の通学補助」 若者の地元回帰へとつながるか (3/3ページ)
また、貸与を利用した学生の地元就職率は、そうでない学生よりも高いというデータも出ており、継続することで一定の効果が期待できるのでは、と考えています」
同じ静岡県内で、全国的にも珍しい人口増加を続けている自治体である長泉町も、2018年から新幹線通学支援補助金を始めた。子どもの数も増加している長泉町だが、同町こども未来課・子育て支援チームの担当者は取材に対し、「大学進学を機に東京に出てしまうのは、静岡全体の傾向で課題」だと話す。
「人口が増えているからと安心せず、課題に対しては対策を講じるべきだと考えました。そこで最低でも高校3年間は長泉町に住んでいた方を対象に、1か月あたり2万円、新幹線通学定期券の購入費の一部を補助しています」上京する学生を想定しているため、距離制限としてJR三島駅から100キロ以上の区間(例外として新横浜は可)という条件は設けられているが、すでに85人が申請しているという。さらに卒業後の定住を図るため、「未来人定住応援事業」という取り組みも行っている。
「高校3年間は長泉町に居住し、大学進学で町外へと出ていても、卒業後に長泉町に在住し、5年間以上正規雇用されている方に最大30万円の奨励金を交付しており、新幹線通学の申請者にも『未来人定住応援事業』への仮エントリーを呼びかけています。こうした制度を通して、若い人たちに地元への愛着をより持っていただきたいですね」今回紹介した自治体以外にも、新幹線通学は多数の自治体が取り組んでいる。ざっと検索をしただけでも、富山県黒部市、高岡市、広島県福山市などが確認できた。県外に進学すると帰ってこないことが常態化しつつある今、こうした取り組みはさらに広がっていきそうだ。