秋津壽男“どっち?”の健康学「老化現象の一つである頻尿は我慢すべき?有効なトレーニングによって治療も可能」 (2/2ページ)
ホースで水をまいた時、蛇口を閉めて残ったしずくが出てくるのと同じことで、残った尿が膀胱に残っているだけのこと。医学用語で「排尿後滴下」と言います。
この場合も有効なトレーニングがあります。排尿後に尿道をしぼってください。睾丸からペニスの間を、ホースの水を押し出すようにしぼると残った尿が出てきます。これをミルキングと言います。あるいは排尿後につま先立ちをすると括約筋がキュッと絞められ残尿は出てきます。
また、排尿の際にズボンとパンツを完全に下ろすと尿道の圧迫もなくなりますので、大便用トイレに座って用を足すようにするといいでしょう。
1日あたりの総尿量は体重(キロ)×20~25ミリリットルが適正量と言われています。体重70キロだと1400~1750ミリリットルとなりますが、これを大きく上回ると多尿と診断されます。多尿の場合、我慢をするのではなく、まずは1日の飲水量を減らしてください。利尿作用の高いコーヒーやアルコールを減らすことです。
摂取水分を減らしても排尿の量が減らない場合は病気が疑われます。尿がたくさん出てしまうため喉が渇き、水分をたくさん摂ってしまうという悪循環に陥るのが尿崩症です。1回ごとの排尿をためておき、1日の総量が3リットル近くになると尿崩症が疑われますので、病院で血液検査や尿検査を受けてください。尿崩症は心不全や腎不全、糖尿病などに結びつきますので、早い段階で治療を受けることが肝心です。
■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。