国民の5人に1人が不眠症? 危うい睡眠不足の解消法 (2/3ページ)

週刊実話

また、5時間以下では心臓疾患の発症率が上昇、4時間以下になると冠動脈性心疾患による死亡率が上がることも分かっている。
 「私の経験でも、心臓の手術を受けるような患者さんは、夜型の生活をしている人が多い印象を受けます。若い世代だけでなく、高齢者においても同様の傾向が見られるので、やはり起きている時間が長い“交感神経型”の人が、心臓のトラブルを招きやすいと思われます」

 東京都立多摩総合医療センターの心臓外科担当医はこう言う。
 「米ハーバード大でも、睡眠時間が5時間以下の人は、8時間以上の人よりも心臓病リスクが1.45倍高いという研究結果が出ている。また、米国で行われた他の研究でも、心臓病の発症リスクが上昇することが分かっています。睡眠不足が心臓にダメージを与える理由はいくつも考えられますが、中でも大きな要因となるのが、自律神経のバランスが崩れてしまうことなのです」

 自律神経は交感神経と副交感神経のバランスで成り立っている。睡眠中は交感神経の活動が低下し、副交感神経の活動が高まる。しかし、睡眠不足の状態になると交感神経が優位になる時間が長くなり、神経伝達物質のアドレナリンが大量に分泌される。血流を増やし血管を収縮させるため、血圧が上昇し、それだけ心臓の負担が増えて疲弊したり、動脈硬化が促進されてしまうという。
 「いびきをかく睡眠時無呼吸症候群の人は、狭心症や心筋梗塞、心房細動といった病気が起こりやすいのも同じ理屈です。夜、寝ている間に何回も呼吸が止まり低酸素状態を繰り返すことで、交感神経が活性化してしまうのです。さらに睡眠不足は、食欲を増進させてしまう。睡眠時間が足りないと体はストレスを感じ、食欲を抑制するホルモンのレプチンが減少して、逆に食欲を増進させるグレリンというホルモンを分泌されやすくなることから、過食につながってしまうのです」(同)

 過食の状態は、もちろん肥満を招き、糖尿病や高脂血症を招いてしまう。肥満、高血糖、高コレステロールは、いずれも代表的な心臓病の危険因子。いくつも積み重なると、さらに心臓病の発症リスクがアップするという。そうしたことからも、睡眠不足は心臓にとって大敵なのだ。

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