「人食いザメ」のイメージは『ジョーズ』から!? イメージとは違う「サメ」の生態とは (2/2ページ)
沼口さんはスコットランドの海でウバザメと出会いますが、巨体に似合わずプランクトンが主食のウバザメは、目の前でのんびりと食事をはじめたといいます。人と警戒するでもなくおっとりと海を泳ぐ大きな生き物を想像すると、なんだか愛らしく思えるのではないでしょうか?
2017年夏に遊泳禁止がニュースになった久慈浜海水浴場に現れた「ドチザメ」も、哺乳類で例えるとヒツジのようなとてもおとなしい性格だといいます。
■本物とニセモノの「フカヒレ」の見分け方沼口さんの「サメ愛」は食べることにも向けられています。
日本は古くからサメを食べる習慣があり、一時期の築地市場ではマグロよりもサメで賑わっていたといいます。
サメ肉は「アンモニア臭がする」と敬遠されがちですが、きちんと処理されたサメ肉はふわふわの食感で上品な味の白身魚。本書では、日本各地で食べられるサメ料理のお店やレシピも紹介されています。
また、サメ料理の代表例の一つ「フカヒレ」。中国では商談の際に出すフカヒレのランクによって、商談がうまくいくとも言われているそうですが、フカヒレの価値は、繊維の太さや均一性、色の美しさ(金色に近いものほど高価)、弾力などで評価されます。
ところが、残念なことにニセモノも横行しています。著者が取材した横浜中華街の「招福門」店主・齊藤正人さんによれば、ニセモノは「そもそもあまりに安い商品は疑わしく、食感がゴムっぽくて、繊維の形が綺麗に整いすぎている」とのこと。
とはいえ、素人に食感や繊維の質で見分けるのは困難。簡単に判断できるコツは、繊維を一本手にとって、縦に割いてみること。本物は綺麗に割けるが、ニセモノはブチブチと切れてしまうといいます。
もし、商談や大事な人を招待する宴席でフカヒレ料理を頼もうと思ったら、事前にそのお店に食べにいき、本物かどうかを調べてみるといいかもしれませんね。
(ライター/大村佑介)