鉱物マニアはハワイへGO?ハワイのキラウエア火山が緑色の宝石の雨をもたらす (5/6ページ)
・ハワイには古来からあるカンラン石
実はハワイの溶岩からカンラン石が見つかるのは特に珍しいことではなく、新しいものはもちろん、古代のものもある。
「よくあることですよ。ハワイ中の岩の中で見つかります」(ストヴァル氏)
カンラン石が溶岩から分離する原因は様々だ。古い溶岩石が風化することで出てくることもある。またハワイの海岸では、海底で溶岩が爆発的に噴出し、それによって小さなかけらとなった溶岩石から分離する場合もある。
しかし今回の事例では、噴火によって吹き上げられた溶岩が、その付近の敷地に降り注いだ。
「地面に散乱していたカンラン石は、以前に形成された結晶を閉じ込めた玄武岩がものすごい力で排出され、玄武岩のパホイオイ溶岩(ベタベタした溶岩)から出てきました」とフランクリン&マーシャル大学の火山学者スタンリー・マーツマン氏は説明する。
・鉱物集めの絶好のチャンス
地上と海底のどちらの噴火もカンラン石を分離させるため、住人はそれを拾い集めることができる。
確かに飛んでくる可能性もあるカンラン石であるが、蒸気の巨大な噴煙が立ち上り、クレーターから灰が噴出するような火山山頂から飛来することはあまりないらしい。
「1つ言えるのは、カンラン石が噴煙から降り注ぐわけではないということです」と地質研究所の火山学者マイケル・ポーランド氏は言う。
また彼によると、ハワイの道路はカンラン石が豊富な溶岩石をすりつぶして作ったものであるために、地面にカンラン石が普通に落ちているのだという。
しかしカンラン石は噴火の最中に形成されるわけではない。それはずっと昔に地下の奥深くの溶岩の中で作られた。