男女入れ替え物語の原点・とりかへばや物語に似た「在明の別」前編:誕生から男装まで (2/2ページ)

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物語評論で知られる『無名草子』にもその名があることから、『無名草子』が書かれるより前、つまり1196~1202年よりも前ということ。『とりかへばや物語』も中世王朝物語に分類されることもありますね。

この物語、左大臣家に生まれたひとりの女君が主人公です。女君は男装して左大臣家の嫡男として社会に出るわけですが、その役割は「左大臣家の後継者となる男児をもうける」ことと、「左大臣家の娘として宮中に上がる」というふたつ。とてもひとりではなし得ないことのように思えますが、この物語では成し遂げてしまうんです!

隠れ蓑の術を使って夜な夜な他人の家で覗き!?

「左大臣家の後継者となる男児をもうける」ための飛び道具となるのが「隠れ蓑の術」です。そう、女君は不思議な力が使えるんです。このあたり現実的ではありませんが、物語では天狗や妖術が登場することしばしば。

女君は隠れ蓑の術を使い、夜な夜な出歩いては人の情事を覗き見……誤解のないよう説明しますが、これは理由があってのこと。女君はこの覗き見から、ある妊娠した女性を救って妻とし、その子を家の後継者にします。そういうわけで、無理やりのようにも思えますがひとつめの役目をクリアした女君。

男としての役割を終えた女君は、ふたつめの役割のために動き始めるのです。(後編へ…)

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