男女入れ替え物語の原点・とりかへばや物語に似た「在明の別」前編:誕生から男装まで (1/2ページ)
平安後期物語としてはわりと有名な『とりかへばや物語』
平安貴族の家に生まれた男女きょうだいが、女君は男勝り・男君は引っ込み思案で女の子のように、それぞれ反対の性質を持った子どもとして育った物語。女君は男として官職を得て出世し、男君は女の姿で尚侍として宮仕えをします。
やがて二人は、女君の性別が宰相中将に露見したことによって本来の性にもどり、それぞれが栄華を極めるという物語です。
男女が性転換して生活?異色の輝きを放つ平安時代の王朝文学「とりかへばや物語」「平安時代に男装・女装の物語なんて、おもしろい!」という珍しさもあり、平安文学を専門に学んでいなくても結構認知度の高い物語ですよね。『源氏物語』には及ばないとはいえ、あの『君の名は。』のモチーフのひとつにもなったという物語。(あの映画のモチーフとして『とりかへばや物語』が機能しているかどうかは個人的に疑問ですが……)
そんな『とりかへばや物語』と設定がよく似た物語があります。それが『在明の別』。
『在明の別』は女君ひとりが二役を担う?その役割とは?『在明の別』(有明の別、有明の別れとも)は、『とりかへばや物語』よりも少し後に成立した物語。時代としては中世王朝物語に分類される作品です。

