なぜ紙で指を切るとこんなにも痛いのか?

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なぜ紙で指を切るとこんなにも痛いのか?
なぜ紙で指を切るとこんなにも痛いのか?


 アウチッ!くぅ~薄っぺらい紙のくせになんでこんなに痛いんじゃい!もうプンスカプンスカ!!って経験はないだろうか?

 日常のちょっとした苛立ちの中でも、紙による指の切り傷は最悪の部類に入る。

 それは大騒ぎするほど深刻な怪我ではないのだが、ちょっとした怪我にしてはやたらと痛い。なぜ紙で指を切るとこんなにも痛いのだろうか?

・指先には神経がたくさん集まっている

 主に非難されるべきは神経終末である。指先の疼痛受容体は、人体のほとんどの場所よりも痛みを感じさせる。

 これは熱いものを触ったことがある人なら、とっくにご承知のことだろう。

 「指先は私たちが世界を探り、細かい作業を行う場所です」とカリフォルニア大学ロサンゼルス校の皮膚科学者ヘイリー・ゴールドバッハは話す。

 「そのために、そこに神経終末がたくさんあるのは理に適っているでしょう。一種の安全装置です」

 これらの神経終末は「侵害受容器」といい、脳に警告を出す。痛みという感覚によって、高温や危険な化学物質、あるいは皮膚を破りそうな圧力などについて教えるのだ。

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・紙にも問題が

 また紙の方にも原因がある。紙の端は遠目で見るほどには滑らかではなく、すぱっとした切れ目というよりは、皮膚に荒々しいまでの破壊の痕跡を残すのだ。

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・軽い傷だから防衛システムが働かない

 ついでに、紙による切り傷は人体の自然の防衛システム(血液凝固や痂皮形成など)を起動させるほどに深くないことが多い。そのために指の損傷した神経終末はさらされたままになる。

 そればかりか、手を使うたびに傷口が捻じ曲げられ、その都度傷が刺激される。

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 これらすべてが紙の切り傷の異常な痛みにつながる。少なくとも、今ある限られた証拠からはこう考えられる。

 指を紙で切られるのを並んで待ってくれる被験者などいないのだから、人体についてこれまでに知られてきたことから、妥当な推論を行うしかない。

・神経終末を確認する方法

 だが自分自身で仮説の検証をしてみることはできる。クリップを曲げて両端が同じ方向を向くようにする。それで背中や足を突いて、二つの先端を区別できるかどうか確かめてみよう。

 それが終わったら、手や顔でも試して見る。こちらの方が容易に先端を区別できるだろう。それは神経終末が多いからだ。

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 また心理的な影響がある可能性も指摘されている。それがそこまで痛いのは、小さく一見無害に見えるものによる怪我であるからかもしれない。

 さあ、紙の切り傷がやたらと痛い科学的な理由が分かったところで、肝心な点は何だろうか?

 紙を扱うときは細心の注意を払うべしということだ。


References:Why Do Paper Cuts Hurt So Much? / written by hiroching / edited by parumo
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