秋津壽男“どっち?”の健康学「毎年50万人が発症する脳梗塞の二大要因。糖尿病と高血圧どっちが引き起こしやすい?」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

高血糖状態になると腎臓からの水分吸収が増えて体液・血液の量が増えます。また肥満になると血管が緊張(=高血圧状態)することが多くなり、血圧を上げるホルモンが多く分泌されて高血圧となるのです。

 糖尿病になるとインスリン注射をしますが、これはインスリンの血糖を下げる作用を受ける細胞の感受性が低下するため、インスリンが多量に分泌されます。この状態を高インスリン血症といい、こうなると腎臓で塩分が排泄されにくくなり、血管を広がりにくくさせて血圧が高くなります。こうした症状に陥らぬためにも、生活習慣を改めることが肝心です。特に、血管を収縮させて血圧を上げてしまうのがタバコです。喫煙者で高血圧の人は即刻禁煙をすべきです。

 日頃運動をしない人は、毎日30分でいいので、歩くことから始めましょう。適度な運動の継続は血圧を下げてくれますが、いきなり激しい運動をすると、前述のように一気に上がった血圧で死に至ることもあるので要注意です。

 食生活では塩分も控えめにしましょう。適量は1日9グラム未満とされています。油を使った食事も控えて、肉類よりも魚と野菜を食べるようにしてください。

 これらを守り、規則正しい生活で十分に睡眠時間を取れば、糖尿病も高血圧も改善されていきます。「継続は力なり」と言われますが、健康面でも同じです。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「毎年50万人が発症する脳梗塞の二大要因。糖尿病と高血圧どっちが引き起こしやすい?」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2018年 7/5号“どっち?”の健康学秋津壽男脳梗塞糖尿病カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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