「フランダースの犬」の舞台、ベルギーの世界遺産「アントワープ聖母大聖堂」の魅力 (3/4ページ)
主祭壇の左右に配置された大作で、それぞれキリストが今にも磔刑に処せられようとしている場面と、処刑後にキリストが十字から降ろされる場面が描かれています。
「キリスト降架」は、当時のアントワープ市長だったロコックスの依頼で描かれたものですが、「キリスト昇架」はもともと別の教会の祭壇画として描かれたもの。現在のアントワープ聖母大聖堂では、それらを一対の作品のように一緒に見ることができるのです。
キリストにスポットライトが当たっているかのような光の効果、劇的な一瞬を切り取った動きのある構図は、生々しいほどのリアリティを呼び起こします。

とりわけ土気色をして血を流すキリストの遺骸が十字架から降ろされる「キリスト降架」は、思わず鳥肌が立ってしまうほどの迫力。必ずしもポジティブな印象を与える絵ではないのに、それでも見ずにはいられないのです。
アニメ「フランダースの犬」の最後、ようやく「キリスト降架」を目にしたネロは、こう言います。―「ああとうとう見たんだ」 「ああマリアさま、僕はもう思い残すことはありません」
それぞれの絵画の前には、詳しい解説(日本語あり)も用意されています。アントワープにやってきたら、ネロが憧れ続けたルーベンスの傑作をじっくりと堪能してください。
・大聖堂前のネロとパトラッシュ像

大聖堂の前には、2016年にお目見えしたネロとパトラッシュの像があります。デザインを手がけたのは、ゲント在住のアーティスト、バティスト・フェルムーレンさん。
日本で放映されたアニメに登場する彼らとはイメージが異なるものの、幸せそうに眠っているかのようなネロとパトラッシュの姿が目を引きます。