世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第277回 骨太の方針2018 (2/3ページ)
そもそも、需要縮小や再デフレ化を恐れるならば、消費税を増税しなければいい、が正論なのはもちろんだが、増税と同時に政府支出を削減するよりは「マシ」である。
また、'21年度に財政の「中間評価」がなされ、そこでは、
『PB赤字の対GDP比については、2017年度からの実質的な半減値(1.5%程度)とする。債務残高の対GDP比については、180%台前半、財政収支赤字の対GDP比については、3%以下とする』
と書かれている。財政赤字対GDP比3%は、PB黒字化よりは緩い目標になる。つまりは、財政拡大の余地が残されている。
さらに、これまでの骨太の方針に明記されていた予算拡大の「枠」はなくなった。
'18年度予算(本年度予算)までは、骨太の方針により「一般歳出の目安5300億円」という「増加分の枠」が設定されていたのだ。正直「狂気の沙汰」としか表現のしようがない政策方針だったのだが、今回の骨太の方針で「枠」は消えた。
つまりは、これまでは予算拡大の「枠」を設定された上で、PB黒字化を達成するという、過酷な「無理ゲー(※クリアが不可能なゲーム)」を要求されていたことになる。何しろデフレから脱却し、名目GDPが増えていけば税収も増え、PB黒字化は達成される。そしてデフレ脱却のためには政府が予算を増やし、デフレギャップを埋める必要があるのだ。
その「デフレ脱却のために必要な予算拡大」に「枠」をはめられていたわけで、まさに無理ゲーである。
今回の骨太の方針では、デフレ脱却やPB改善というゲームを無理ゲーと化した「枠」は撤廃され、
『2019年10月1日に予定されている消費税率引き上げの需要変動に対する影響の程度や経済状況を踏まえて、当面の予算を編成する』
『中長期の視点に立ち、将来の成長の基盤となり豊かな国民生活を実現する波及効果の大きな投資プロジェクトを計画的に実施する』
と、一応、デフレ脱却に向けた真っ当な政策も謳われている(そもそも、消費税増税が「デフレ化政策」で、真っ当な政策ではないが)。