世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第277回 骨太の方針2018 (3/3ページ)

週刊実話



 ということで、『今回の骨太の方針2018』は、
 「前よりもマシで、デフレ脱却の【可能性】はあるものの、結局は財務省の緊縮路線に屈した」
 との評価になる。少なくとも、以前までよりは「無理ゲー色が薄まった」というのが、わずかに残された希望である。

 日本政府は6月12日、科学技術について日本の基盤的な力が急激に弱体化しているとする、'18年版の科学技術白書を閣議決定した。
 '00年度を100とし、直近の科学技術関係予算を比較すると、中国が11倍、韓国が4.7倍、アメリカ、ドイツ、イギリスといった先進国ですら1.5倍強。それに対し、わが国は1.06倍。予算を全く増やしていない。日本が科学技術大国から凋落したのは、PB黒字化目標に代表される緊縮路線が主因なのだ。

 『骨太の方針2018』では、政府の研究開発投資を対GDP比1%に拡大する目標が謳われた(現在は0.6%程度)。もっとも、政府研究開発投資拡大の項には「第3章の新計画との整合性を確保しつつ」という怪しい文言が入っている。「第3章の新計画」には、問題の、「2025年度の国・地方を合わせたPB黒字化を目指す」が含まれているのだ。
 つまりは、PB黒字化目標を達成できない状況になれば、またもや科学技術関係予算は「抑制」されることになりかねない。

 政府の負債が100%日本円建てのわが国にとって、PBなど「どうでもいい」目標だ。どうでもいい目標を守るために、すべての基盤である科学技術関係予算を抑制し、日本は技術大国から凋落した。
 まさに、緊縮路線が日本を亡ぼそうとしていることが分かる。

みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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