トラウマになるような恐怖の記憶は書き換えられることが可能(スイス研究) (2/2ページ)

カラパイア



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・安全な記憶を与えられることで記憶が書き換えられる

 “安全”な記憶を与えた後でラットの脳を調べると、海馬の「歯状回」という領域で観察された恐怖に関連した反応に、新しい神経細胞パターンが加わっていることが明らかになった。

 恐怖に関連する古いパターンは相変わらず危険を知らせているのだが、新しい神経細胞も発火しており、安全だというサインを送っていたのだ。

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緑色ニューロンはショック状態と非ショック状態の両方で発火したが、ラットが「安全な記憶」を獲得した後にはピンク色のものが発火した。


・恐怖と向き合うことで記憶に新しい安全な文脈が加えられる

 この「再配線」は恐怖研究における新発見だとカラフ博士は話す。

 これまでの証拠は、「恐怖の減衰」――つまり単純に恐怖と向き合うことで、古い記憶に取って代わる新しい記憶が出来上がることを示唆していた。

 しかしカラフ博士の研究が明らかにしたのは、記憶が置き換えられるのではなく、修正されるということだ。

 その記憶は相変わらずそこにあるのだが、恐怖に向き合うことで、元々の記憶痕跡に沿って新たな神経細胞が発火する。これがそれまでの記憶に新しい、安全な文脈を加えるのである。
 
 あくまで動物モデルで明らかになったことだが、人間に対してもこれまでになかった視点をもらたすだろう。PTSDなど、恐怖に関連した障害の治療につながればとカリフ博士は期待している。

 この研究論文は『Science』に掲載された。
References:.inverse/ written by hiroching / edited by parumo
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