仏壇やお墓に供える仏花が、様々な進化や変化を遂げている?

心に残る家族葬

仏壇やお墓に供える仏花が、様々な進化や変化を遂げている?

仏壇や墓参りの際に備える花である仏花が、近頃さまざまな変化を遂げている。生花と葉を特殊な液に浸し水分を抜いたプリザーブドフラワーや光ファイバーを使用し七色に変化する仏花など、新しい形で仏壇やお墓を彩っている。

■花に適した花 適さない花

一般的にアザミやバラなどの棘がある植物は仏花には不可とされており、香りが強いものも不向きとなっている。お墓に眠る先祖を供養するとともに仏様の慈悲に感謝するために供える仏花は、あの世にいる仏様や先祖にも届くとされ茎の部分に棘があり触ると痛みのある花は不適切であるとお経にも説かれている。

また、毒そのものが死を連想させるとして彼岸花などの毒のある花や、斬首を思わせ縁起が悪いという理由から椿のように花ごと落ちる花も仏花には適さないと考えられている。

対して、仏花に適した花として菊が挙げられる。菊には邪気を払う力があると昔から信じられており、仏壇や墓に邪悪な霊が取り憑いてしまわないようにと供えられることが多い。切り花にしても長持ちで色の種類も豊富なため仏花に使いやすいのだ。

■仏教においての花の立ち位置

花は仏教の世界において大切な意味を持つ。厳しい大自然の中で雨風に耐え咲き誇り、咲いた後も美しさを保ちながら厳しい環境に耐え続ける花の姿は、辛い修行に耐え忍ぶ仏教の教えと重なると考えられている。

仏教といえば、蓮の花を思い浮かべる人も多いだろう。極楽浄土の絵にも蓮の花が描かれている。泥の中に咲こうと泥には染まらず綺麗な花を咲かせる蓮の花は、仏教の世界でも特別とされている。淤汚泥不染の徳、一茎一花の徳、花実同時の徳、一花多果の徳、中虚外直の徳の5つの特徴が正しい信心を持つ人の心の特徴を表しているのだ。

■新たな仏花の形

仏花は生花でなくてはならない、と言われることもあるが、実際は造花を飾ることも多い。生花は傷みやすく虫が寄ってきてしまい枯れるたびに買い換えていては費用が高くつく。そこで、生花に負けず劣らず美しく水替えも必要なく、枯れることもなく常に綺麗な状態を保ったまま供えることができるとプリザーブドフラワーの需要が高まっている。特に花が痛みやすい夏は、季節変わらず長く咲き続けるプリザーブドフラワーの需要は大きい。

さらに、光ファイバーを使用した仏花も登場している。高輝度スーパーLEDを使用し、球切れしにくい省エネタイプの「光る仏花」だ。煌めく白から7色に変化する仏花は仏壇を華やかに彩り、見ていて飽きない。仏壇を明るく彩る光る仏花は、お盆時期にぴったりだろう。

■気分を変えて

仏花は先祖を供養するとともに仏様への感謝を伝える大切なものだ。しかし水替えや費用の問題など、仏花を供えるということが負担になってしまっては意味がない。

もちろん生花もいいが、プリザーブドフラワーにも光ファイバーの仏花にもそれぞれの良さがある。たまには気分を変えて、枯れない仏花を備えるのも趣があっていいかもしれない。

「仏壇やお墓に供える仏花が、様々な進化や変化を遂げている?」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧