『バナナフィッシュ』絶望の中で見つけた友情の光に感涙

日刊大衆

『バナナフィッシュ』絶望の中で見つけた友情の光に感涙

 少女漫画作品ながらハードボイルドな展開で話題のアニメ『BANANA FISH(バナナフィッシュ)』(フジテレビ系)の第2話が、7月12日深夜に放送された。今回は、主人公のストリートギャングのボス、アッシュと、日本人青年、英二の友情が、殺伐としたダークストーリーの中に見える一筋の光のように神々しく、切ない気持ちにさせられた。

 アッシュに敵対するオーサーの仲間に連れ去られた英二と、仲間のスキップを助けるために、アッシュは単身でアジトに乗り込むが、マフィアのボスであるディノ・ゴルツィネの部下、マービンに捕まる。その後、アッシュがうまく気を引いて、外に逃げ出した3人だったが、敷地内の高い塀に囲まれた袋小路に追い込まれてしまう。

 そこで英二は、学生時代にやっていた棒高跳びの技を使って塀を飛び越え、助けを求めに走り出す。ちょうどそこに、アジトの場所を嗅ぎつけたアッシュの仲間、ショーター達が乗り込んできて乱闘に。マービンから銃で狙われたアッシュを助け、代わりにスキップが撃たれて死んでしまう。アッシュは逃げるマービンを追いかけ、アパートメントの一室にたどり着いた。静かすぎる部屋の扉を開けると、そこにはマービンの死体が転がっていた。罠にはめられたアッシュは、その場で警察に連行され、ゴルツィネの息がかかった囚人のいる刑務所へと連行されていくのだった……。

 アッシュの激動のストーリーが動き出した第2話。暗黒の未来しかないように見えるが、そこで英二という存在が、光を放ち始める。

 アッシュは幼少期、ゴルツィネの元で育ち、マービンに虐待を受けていた過去もあり、以前から彼と対峙するときは、冷酷な対応をしていた。今回捕まって、殴られたり、ベルトで叩かれている瞬間ですら、アッシュは、マービンを鋭い目つきでにらみつけていた。

 一方、アッシュの目に優しい光が入り込んだ瞬間があった。それは、袋小路に追い詰められたとき、英二が水道管を使って、棒高跳びの要領で塀を飛び越たシーンだ。まるで鳥のように空高く舞い上がった英二を、アッシュは神秘的なものを見るような目で見つめていた。何も知らない、無垢な日本人だと思っていた英二が見せた強さと美しさに、アッシュがひかれた瞬間だろう。

 マービン殺しの容疑で警察に捕まり、尋問で精神的に痛めつけられた後、心を閉ざし、大人たちには優しい言葉をかけられても気を許さなかったアッシュだったが、ケガの治療で入院した病院で、英二と2人きりのときは穏やかな表情で、口調も柔らかだった。「お前はいいな。あんなふうに飛べて」と、自分にはないものを持つ英二への憧れを、素直に口にする姿に、私は見ていて涙が出そうになった。

 来週はアッシュが収監された刑務所で、囚人たちとの闘争が繰り広げられ、より過酷なストーリーになっていきそうだ。英二と、英二という光を手に入れたアッシュ。2人の友情と戦いを、今後も見守っていきたい。

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