あたまの体操チャレンジ!江戸時代の算数の教科書「塵劫記」の問題を解いてみよう
突然ですが、江戸時代の勉強って気になりませんか?例えば、和算家・吉田光由が書いた算数の教科書「塵劫記(じんこうき)」には何が書いてあったのでしょう。
今回は難問揃いの塵劫記の中から私たちにもなんとか解けそうな問題を2つピックアップしてみました。皆さんもお江戸流・頭の体操にチャレンジしてみましょう!
画像『改算塵劫記』Wikipediaより
小判両替の事小判の両替問題です。
江戸時代は「江戸の金遣い、大阪の銀遣い」といわれるように関東では金貨、大阪では銀貨が流通していました。そのため、町には金貨と銀貨を交換する両替商が存在しました。
そんな両替商になった気持ちで解ける問題をご紹介します。
原文のままの問題がこちら。
「小判六両三分三朱あり。一両につき五十六匁(もんめ)替えにして、右の小判に銀なにほどぞ」。
現代語に訳すと、「金の小判が6両3分3朱あります。1両につき銀56匁に両替できる時、上記の小判は銀いくらになるでしょう。」という問題です。
解くために、ヒントを以下に記します。
・金1両=4分=16朱
・銀1匁=10分(金の「分(ぶ)」と銀の「分(ふん)」は異なる単位)
つまり、銀0.1匁は1分。
さて、いかがでしょうか。答えは「銀338匁5分」です。
銀両替の事またまた両替問題ですが、今度は銀同士の両替。
原文がこちら。
「丁銀五百六十九匁有時に、よきはいふきに内二割引にしてかへる時に、右の丁銀に灰吹なにほどぞと問」。
新塵劫記 銀両替の挿絵
さあ、私たちにしてみればなんのこっちゃという話です。
江戸時代には銀通貨にも色々あったようで、「丁銀」とは銀の成分が80%の通貨、「はいふき」=「灰吹銀」の事で、こちらは100%純銀の通貨です。銀を含む割合が違うので、丁銀と灰吹銀は同額では両替できず、丁銀→灰吹銀に替える時は2割引きで両替しました。つまりこの問題の意味は、
「丁銀が569匁ある時、2割引きして灰吹銀に両替すると灰吹銀いくらになるか」
という問題です。
そう考えると難しくないですね。
答えは「灰吹銀455匁2分」です。
569×0.8=455.2という計算になります。ちなみに歌がついていて、「二割引き うちは八にてかくる そとは十二で割ると知るべし」と子供にも分かりやすく覚えられるように公式化してくれています。他の問題にもこうした歌があり、教科書にぴったりの内容でした。
一寸子花里 「文学ばんだいの宝」Wikipediaより
どうでしたか。実際に教科書に触れてみると江戸の寺子屋の雰囲気がより身近に思い浮かんできますよね。簡単だったという人は、さらに難問にもチャレンジしてみてください!
参考文献: 新編塵劫記. 上巻、洋泉社「江戸のベストセラー 」清丸惠三郎
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