え?泥棒が警察に何度も電話?その真相は...
7月初旬のある夜中のことだ。ワシントン州クラーク郡バンクーバーの、とある商業施設に泥棒が入った。
日本での110番、119番に該当する緊急通報番号、911番に電話があって警察が出動したのだが…、さて、一体誰が通報したのかというと。
侵入した泥棒自身だったのである。しかも、4回も。
なぜ、自らすすんで通報し、逮捕されたのか?
おそらく次の事実を知れば、大方の人は察しがつくであろう。
つまり。この泥棒が忍び込んだのは、「リアル型脱出ゲーム」のアトラクションだったのだ。
・脱出ゲームのアトラクション
被害にあったのは、"NW Escape Experience" という、常設の「リアル型脱出ゲーム」のアトラクションだ。
このアトラクションには、それぞれテーマが異なる3種類の部屋が用意されている。スリラー風味の「キル・ルーム」、コメディ風味の「ハングオーバー・ホテル」、実在のハイジャック事件を元にしたミステリー風味の「D.B. クーパー」だ。
プレーヤーは、2~10人のグループで各部屋に閉じ込められ、謎を解きつつ、60分以内での脱出を目指すことになる。

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・脱出ゲームのアトラクションに泥棒が侵入
泥棒は、ライ・ワードローという名の40歳の男だ。髪は刈り込んであり、ヤギのようなあごひげを生やしているとのこと。
ワードローは、金属パイプを用いて建物の裏口からの侵入を試みて失敗し、その後、トイレの壁に壁に穴を開けて入り込んだ。侵入に成功した後は、動作していない携帯電話、テレビのリモコン、冷蔵庫から缶ビール1本を盗んだようだ。

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・迷い込んだ先は…
この後に何が起こったのか詳細は不明だが、ワードローは脱出ゲームの舞台となる部屋へ迷い込んでしまったらしい。しかも、よりによって「キル・ルーム」の部屋だったのだ。
この部屋は、プレイヤーが「シリアル・キラーに誘拐された」というテーマで構成されている。そのため、部屋の中には本物の解剖台、殺人鬼の作業台と殺人に使われる様々な道具類、殺人プランを作成中の机、さらに死体(これは本物ではないが)まで揃っているのだ。
以下の動画は「キル・ルーム」のプロモーションだ。スリラーが苦手な方は再生しないようご注意願いたい。
The Kill Room - Escape Room - Vancouver, Washington
それぞれの脱出ルームには、鍵のかかってない非常脱出口がある。しかし、どうやらワードローはそれに気がつく前にパニック状態になってしまったようだ。自分で建物内から911番に4回通報していることが、発信番号から明らかになっている。

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・幸いにも被害は少なかった
ワードローは罪状を認めており、起訴される。被害にあったアトラクションのほうは、既に営業を再開している。
この事件での被害額はそれほど大きくなく、約17万円程度らしい。
施設のオーナーは「犯罪者でも脱出成功率0%」と冗談を言っているそうだが、そのうちにこの事件をネタにしたキャンペーンが行われる…かもしれない。アメリカ西海岸へ行く機会があったら、脱出できるかどうか、試してみるのもいいだろう。
Burglar can't get out of escape room, calls 911
References: Lost At E Minor / The Washington Post など / written by K.Y.K. / edited by parumo