秋津壽男“どっち?”の健康学「大病の前兆となるのは肩凝りか腰痛か?脳の誤認伝達で見逃す大病の初期症状」 (2/2ページ)

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 痛みが肩に近い場合は狭心症の可能性があり、肩凝りかと思ったら胸が痛くなるという場合もあります。肩凝りは想像以上に怖いケースがありますので、過去の凝り方と違うパターンには注意してください。

 このほか、肩凝りを伴う疾患として、脊髄腫瘍や椎間板ヘルニア、緊張型頭痛、眼精疲労、胆石、手根管症候群、頸椎捻挫など、大病以外にも数多くの症状があります。

 一方、腰痛は肥満や背骨のゆがみ、血流の滞りなどが原因となります。腰痛の関連痛は、腎臓の病気である腎盂腎炎です。これは腎臓に細菌が感染し、39度ほどの高熱が一週間ほど続く症状です。しかし、腎盂腎炎以外に怖い病気はほとんどなく、肩凝りほど大病の可能性はありません。

 つまり、注意したいのは腰痛よりも肩凝りであり、肩凝りは万病のサインとも言えます。

 肩凝りの初期症状は肩や首の張りや痛みで、この段階ではマッサージや湿布などで様子を見たり、整形外科に通うことですが、これが目のかすみや頭痛、嘔吐、めまいを伴ってくると赤信号です。内科か神経内科を受診してください。また、激しい頭痛や手足のしびれを感じる場合は脳神経外科となります。いずれの症状も、早期発見がカギとなります。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「大病の前兆となるのは肩凝りか腰痛か?脳の誤認伝達で見逃す大病の初期症状」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2018年 8/2号“どっち?”の健康学秋津壽男肩こり腰痛カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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