明治維新150年の今だからこそ知っておきたい幕末日本のスゴい取り組み(1) (2/3ページ)

新刊JP

日本経済がさらに元気になっていくためのヒントがこの時代にはあるのではないかと感じて、幕末日本の近代化の取り組みをまとめました。

――確かに、この本からは日本と日本人へのエールのようにも読めます。

岡田:そうですね。もう一つ、付け加えるなら2015年に「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」がユネスコ世界遺産に登録されたことも、この本を書いたきっかけになっています。

今お話ししたような問題意識を持っていた時に、講演で鹿児島に行って地元経済界の方々と交流する機会があったのですが、皆鹿児島の史跡をすごく重要視していて、それを他県の史跡と合わせて世界遺産にできないかという運動を始めていました。

微力ながら、私もその運動を手伝うようになったのですが、念願かなってそれが実現したので、その意義をこの本でまとめたかったというのもあります。

――産業遺産の世界遺産登録ということでいうと、2014年に登録された富岡製糸場が頭に浮かびます。

岡田:富岡製糸場も明治時代の産業遺産で、同じような歴史的価値をもっています。富岡製糸場は軽工業の代表格で、今回の本で取り上げた製鉄・製鋼、造船、石炭産業は重工業ですね。

実はこちらには富岡製糸場のように単独で世界遺産に登録されるような遺産はないのですが、その代わりに全部で23ヶ所の施設をひとまとめにすると、当時の時代背景が見えてくる。そこに意義があると評価されました。

表紙

――長州藩や薩摩藩、佐賀藩、水戸藩など、本書では日本各地での近代化の取り組みが紹介されていますが、どの藩も相当な試行錯誤と苦労を重ねています。鎖国下であった当時の工業技術の水準はどのくらいのものだったのでしょうか。

岡田:工業分野はまだ家内制手工業のレベルで原始的なものでしたが、職人の技術は高度だったようです。

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