朝ドラ『半分、青い。』批判続出の急展開こそ、北川悦吏子脚本のテーマ!?

日刊大衆

※画像はNHK『半分、青い。』番組公式サイトより
※画像はNHK『半分、青い。』番組公式サイトより

 連続テレビ小説半分、青い。』(NHK)の急展開が止まらない。この早さにイラっとしている人も多いだろうが、鈴愛(永野芽郁/18)が岐阜に帰ってからも落ち着くことはなく、まだまだ急展開をし続けている。8月7日の放送回を振り返ってみよう。

 岐阜に戻った鈴愛は、律(佐藤健/29)ら、幼なじみである“ふくろう会”の面々とお酒を飲んで帰ってきて、居間で眠る。翌朝目覚めると、そこには草太(上村海成/21)の弟子である健人(小関裕太/23)がいた。一方、律の家では律が両親の弥一(谷原章介/46)と和子(原田知世/50)に、鈴愛の帰郷を告げていた。後に、鈴愛は母親の晴(松雪泰子/45)やブッチャー(矢本悠馬/27)から和子が心臓の病で先が短いという話を聞くが、ちょうどそこに律がやってきて……。

 離婚して帰省したと思ったら「律を支えたい!」と、まさかのセリフを吐いた鈴愛。これには「まず自分と娘の生活を支えろ」と、視聴者から愛ある怒りの声が噴出した。最近は鈴愛のふてぶてしい行動や、展開の早さがツイッター上で、やたらにツッコまれているのだ。

『半分、青い。』が面白いところは、これら視聴者の声に脚本家の北川悦吏子氏(56)がツイッター上で反論しているところだ。これは今までのドラマにはなかったことだろう。急展開が多いという世間の声に対しても、北川氏はツイッターで「あのですね。「半分、青い。」は急展開、ではなく、スライスオブライフなのですよ。普通、映画や舞台など、二時間程度の枠でよくやられるこの手法。これを、156回かけてやってみようとしたわけです、私」(原文ママ)と、持論を展開している。

■ある意味で朝ドラの定番パターン!?

 スライスオブライフ、「人生のひとコマ」とでも訳すのだろうか。確かに『半分、青い。』では、15分の放送のうちに必ず何かが起こり、誰かがやらかす。鈴愛や誰かの人生がときに小さく、ときに大きく揺らぐのだ。さらに北川氏は『半分、青い。』の小説版を読んで泣いてしまったというファンのツイートに対して、「ありがとうございます!ドラマでもぜひっ。そう、無駄なことは一つもない。無駄な日も一つもない。無駄な感情も一つもない、と思っています。何が起きても。しんどくても。ま、たいていしんどいことの方が多いよね」(原文ママ)と返している。

「しんどいことのほうが多い」というのは、鈴愛の人生そのものだ。仕事の挫折に離婚と、鈴愛は常に人生の荒波に揉まれている。それでも彼女は生きることを諦めていないし、絶望もしていない。前向きに、視聴者からツッコミを受けるほどにふてぶてしく生きようとしているのだ。これこそ北川氏が『半分、青い。』で描こうとしていることではないだろうか。要するに、物語の展開が早いのではなく、“出来事が多い”のだと理解したい。起きるのは「しんどいこと」ばかりなのだが、これも本作においては前提なのだ。そのことを踏まえて見れば、イライラすることもなくなるだろう。

 そもそもヒロインの七転び八起きを見守る、というスタイルは古典的な朝ドラのスタイルだ。鈴愛がどう自分の人生を生き抜いていくのか、これからはイライラせずに、ゆっくり見守っていこうじゃないか!(朝ドラ批評家 半澤則吉)

※画像はNHK『半分、青い。』番組公式サイトより

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