ヒトラー、プーチン、カダフィ…独裁者だけが持つ非凡な人心掌握術 (2/2ページ)
普通の政治家は、自分の発言が様々な層の様々な人に届くことを想像し、それに配慮した物言いをする。しかし、これでは耳障りは良くても人の心には残らない。
ユダヤ人を公然と敵視する発言をするヒトラーは、多くの憎悪を買ったが、同じくらい多くの人々の溜飲を下げた。内心同じことを思っていた人間がいたためだ。アメリカ大統領のジョージ・W・ブッシュ(当時)を「悪魔」と呼んだベネズエラのウゴ・チャベス元大統領も国際社会の顰蹙を買ったが、反米傾向の強かった当時の中南米では「思っていたことを代弁してくれた」と感じた人も相当数いたはずである。
皆が思っていながら口に出せないことを言えば、ある層を敵に回すことになる。しかし、それは強固な味方を作る方法でもあるのだ。
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「弱者への優しさ」にしても「口に出したくても言えないことを代弁してくれる」にしても、人が誰かを信用してしまう普遍的な条件である。
本書では、この他にも独裁者たちが国民を魅了し、奮い立たせ、操っていくために使っていた手法が解説されるが、それらを読めば彼らがいかに人間の持つ普遍的な性質を深く理解していたかがわかるはずだ。
そして、それらの手法は目的さえ間違わなければ模倣しても構わないものである。独裁者を独裁者たらしめた対人術や人心掌握術から私たちが得られるものは、案外多いのかもしれない。
(新刊JP編集部)