清原果耶『透明なゆりかご』“いつか望んだとき”のための決断 (2/2ページ)

日刊大衆

アオイが、それでは気軽に中絶する人もいるのではないかと老夫婦に話していたが、医者である老人、神村重吉(イッセー尾形/66)は「あの台に乗って、また中絶すればいいやと思える人はいないと思うよ」と、アオイに言った。看護師を務める妻の神村千代(角替和枝/63)も「女性が生きやすい世の中になればいいわね」とつぶやく。

 かつて老夫婦が営む病院に、中絶を求めてきた女学生がいたが、2人は手術をせずに帰したことがあった。少女は、その後、重吉の目の前で自殺してしまう。身元を聞かずに施術してもらえるならば、軽々しく中絶する人もいるかもしれない。しかし、中絶できずに、悩み、苦しみ、自らの命さえ断つという選択をする人もいる。重吉と千代は、そうした女性たちを大勢見てきたからこそ、多くを尋ねない。そう思うと、2人の言葉は非常に重く深い。

 アオイが務める産婦人科の院長、由比朋寛(瀬戸康史/30)は「アウス(人工中絶手術)はいつか望んだときに、また妊娠できるようにする手術」と、考えるようにしていると答えた。私は、その言葉に一筋の光を見た気がした。生まれてくる子どもの命も大事だが、今ここで苦しんでいる女性の命を救うため、人生を前向きに生きるために必要な施術もあるのかもしれない。このドラマを通じて学ぶことは、まだまだありそうだ。 

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