秋津壽男“どっち?”の健康学「熱中症で気をつけるべきは温度と湿度どっち?加齢により低下する体温調節機能を自覚すべし」 (2/2ページ)

アサ芸プラス

「31度以上=危険」=外出を避け運動も原則中止

「28度~30.9度=厳重警戒」=外出時は炎天下を避けて激しい運動は中止

「25度~27.9度=警戒」=積極的に休息をとる

「24.9度以下=注意」=激しい運動や重労働に注意。

 細かい数字はさておき、暑さ指数が28度を超えたら外出や屋外作業を避けるべきと心得てください。

 屋外の暑さ指数は、湿度の他に日射環境も加わってきます。例えばアスファルトは熱を吸収しやすく照り返しが強くなるため、気温が30度でも体感温度が40度を超えることがあります。屋外の暑さ指数はこの点も考慮されています。

 また、加齢に伴い、熱中症の発症リスクは上がります。それは体温調節機能が低下し、暑さを感じづらくなり、さらに暑くても汗をかきにくく、汗の量が少なくなるからです。さらに、暑いと皮膚の血流が増えて体内の熱を逃がそうとします。しかし、高齢者の場合は暑くても皮膚の血流量が増えにくくなるのです。ですから、家では温度湿度計を設置し、冷房をつけ室温管理をしましょう。

 今年は暑さがさらに長引くと言われています。9月とはいえ直射日光を避け、水分と塩分補給をこまめに行い、日傘や帽子を忘れないようにしてください。

■プロフィール 秋津壽男(あきつ・としお) 1954年和歌山県生まれ。大阪大学工学部を卒業後、再び大学受験をして和歌山県立医科大学医学部に入学。卒業後、循環器内科に入局し、心臓カテーテル、ドップラー心エコーなどを学ぶ。その後、品川区戸越に秋津医院を開業。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「熱中症で気をつけるべきは温度と湿度どっち?加齢により低下する体温調節機能を自覚すべし」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2018年 9/6号“どっち?”の健康学秋津壽男熱中症社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
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