「キャラメルサンデーが食べたい」 患者の最期の願いを叶えるため救急車でマクドナルドに立ち寄り、その夢を叶える救急隊員(オーストラリア)
この人生、いつか終わりの時が来る。その時に望むことは何だろう?
もう一度会いたい人がいるかもしれない。もう一度行きたい場所があるかもしれない。もう一度聴きたい音楽があるかもしれない。
あるいは、もう一度食べたいものがあるかもしれない。きっと誰でも、これまでの人生で愛してきたものの一つや二つはあるだろうから。
人生最期の時が近づいてきたロン・マッカートニーさんが最後に望んだのは、マクドナルドで販売されている(日本では販売終了)キャラメル・サンデーだった。
・最後にもう一度、キャラメル・サンデーを
オーストラリアのクイーンズランド州でのこと。72歳のロン・マッカートニーさんは、ガンによる最期の入院と緩和ケアを必要としており、妻のシャロンは救急車を呼んだ。
ロンさんの「最後の旅」に駆けつけた救急隊員は、ケイト・ハナフィーさんとハンナ・ホスウェルさんだった。
シャロンさんの言によると、それまでの数日間は、ロンさんをベッドから起こすだけでも大変な努力を要するようになっていたそうだ。
そして、ロンさんはもう二日以上、ほとんど何も食べていないことのことだったのである。
そこでケイトさんが、ロンさん夫婦に「もし食べられるとしたら、何が食べたい?」と聞いたのである。
夫婦は顔を見合わせて微笑み、迷うことなく「キャラメル・サンデー」と答えた。
・シンプルだけど大きな意味を持つこと
この段階ではもう、ロンさんに対して施せる医療は何も残っていないに等しかった。救急隊員の主な仕事は、その最期を安らかなものにすることだったのである。
そこで、救急車はマクドナルドへ立ち寄り、ロンさんのためにキャラメルサンデーを購入した。
「ロンさんは大きな笑みを浮かべ、美味しそうにサンデーを食べました。妻のシャロンさんも、ロンさんが食べているのを見て、涙ぐむほど喜んでいました」とケイトさん。
ロンさんの写真とエピソードがFacebookに掲載されると、多くの人々が賞賛のコメントを書き込んだ。
・なんて美しく親切な人達だろう。泣いてしまったよ。
・救急隊員とは人を救う仕事。とてもシンプルな何かが大きな意味を持つこともある。私たちが本当に弱っている時に、すばらしいケアをしてくれるプロフェッショナルよ。
・隊員たちの行動は本当にスイートだね。
その週のうちに、ロンさんは亡くなった。
娘のダニエル・スミスさんは、Facebookに二人の隊員に感謝するコメントを残している。
「ハンナさんとケイトさんへ、本当にありがとう。父はサンデーをとても楽しみました。これが自分で食べることができた最後のものになりました」
「母と私は、救急隊に感謝してもしきれません。これまで何度も電話しなければなりませんでしたが、その度に大きな助けと思いやりを与えてくださいました」
・いつでも、できる限りのことをします
Facebookに記載されているのはここまでである。だが実は、キャラメル・サンデーを食べたいというシンプルな望みは、叶えられなくなるところだったのだ。
救急車が立ち寄ろうとしたのは、マクドナルドのドライブスルーである。ところが、救急車の車高がありすぎて、ドライブスルーに入れなかったのだ。隊員たちは、救急隊の副署長に連絡をとり、どうにかならないかと訴えたのである。
幸い、救急車を駐車することができたので、ケイトさんが店舗内に入って買ってくるという昔ながらの方法で、サンデーを入手することができたのだ。
そのケイトさんは、こんなコメントをしている。
「救急隊員は、いつでも誰でもこうします。会ったばかりの人のために、できる限りのことをするのです」
ケイトさん、ハンナさんと、ロンさんの家族
今回、ロンさんの望みは叶った。だけど、もし叶わなかったとしても、だ。
最期を迎えるにあたって、誰かが自分の望みを叶えようと一所懸命になってくれる、それが実は幸せなことなのじゃないかと思ったりもするんだ。
References:Facebook written by いぶりがっこ / edited by KYK