交通事故で亡くなった息子から精子を採取し、人工授精で孫を誕生させたイギリスの富豪家
4年前、オートバイ事故で26歳の息子を亡くしたイギリス人夫妻がいた。彼らはイギリスでも名門の大富豪で、どうしても跡継ぎとなる孫が欲しかった。
そこで、回収された遺体から精子を抽出し、人工授精で孫を誕生させたのだ。
・遺体から回収した精子を冷凍保存
男性の遺体は事故から2日間未発見のままだったのだが、回収されると精子が抽出され、ただちに冷凍保存された。
精子は死後72時間は生きていることが知られている。
夫婦は最も信頼できる医師を探し、アメリカ・カリフォルニア州にあるラホヤIVFクリニックのデビッド・スモットリッチ氏に行きついた。
約1年後、スモットリッチ氏の元に冷凍保存された精子が送られてきた。
・男の子が生まれるよう選別し、受精後代理母のお腹を借りて出産
男の子となるY染色体を持つ精子が選別され、提供された卵子に受精。代理母のお腹を借りて男の子が生まれた。
その子は現在3歳で、祖父母と一緒にイギリスで暮らしているという。

・死後の精子を使った珍しい事例
スモットリッチ氏はこの分野のパイオニアである。1997年に同性夫婦のために世界初となる試験管ベビーを誕生させたり、2001年にイギリス初のシングルファザーに三つ子を授けるといった実績のある人物だ。
そのような彼でも死者の精子を使うなど、そうそうあることではない。
「死んだ人の精子を使った子供なんてとんでもなく珍しいです。私も5回しか経験がありません」
依頼主の夫妻は跡継ぎとなる男の子を欲しがっていたが、イギリスではそうした性別の選別は違法行為だ。
イギリスでは父親の死後、生まれてくる子供は年に5人くらいいるという。だがそうした場合でも父親の生前に精子が保存されるか、父親が生きている間に体外受精が行われるのが普通だ。
しかし今回の事例では、すでに死んでいる父親から採取された精子を使って子供が作られた。インド、アメリカ、オーストラリアでは前例があるが、イギリス国内では初のことだ。

・イギリスでは違法行為にあたるが...
こうした行為についてイギリスでは厳格な規制が敷かれている。
仮に事故死した男性が病院で治療を受けておらず、なおかつ生前に精子を採取されることに同意していなかった場合、彼の生死を保管・利用することは刑法違反に当たる可能性が高い。
スモットリッチ氏は、夫妻がイギリスの法律をどのようにして回避したのかは一切関知していないという。
ラホヤIVFクリニックで対応した女性は、「母親から電話を受けて、息子ならそう望むだろうと言われました。これは科学と魂の融合です」と話す。

・提供される卵子や代理母にもこだわったデザイナーベビー
夫妻は提供される卵子と代理母の「種類と質」に非常にこだわっていたらしい。
もし彼らの息子の配偶者になるなら、容姿と知性と学歴を持つ女性のものでなければならないと強く望んでいた、とスモットリッチ氏は説明する。
これは、受精卵の段階で遺伝子操作を行うことによって、親が望む外見や体力・知力等を持たせたデザイナーベビーだ。
ちなみに、卵子提供者も代理母もアメリカ人だ。
受精卵は4つ作られ、1つを選択し、アメリカで出産された。卵子提供者や代理母への支払いも含め、施術には総額870万~1400万円程度かかったと推定される。
その家族からクリスマスカードをもらったとスモットリッチ氏は話す。
実際彼のもとには、政治家、貴族、王室など、どうにかして法律を抜け穴をついたイギリスの名家から数多くの依頼があるという。
References:Wealthy British couple harvested the SPERM of their dead son, 26, to create a 'designer grandson'