出世で損をする「実績の割に評価されない人」に欠けている能力 (1/2ページ)
「またこの人と会いたい」
「あの人ともう一度仕事をしたい」
相手にそう思わせられたらビジネスパーソンは勝ちだ。転職しても、独立・起業しても、食いっぱぐれることはない。
ただ、そこに至るまでが難しい。また会いたいと思わせる「人たらし」には、スキルや経験だけではなることができない。
■「俺を快適にしろ」に応えつづけて気づかいを磨いた男相手を魅了し、自分を好きにさせるために不可欠なものは、端的にいえば「気配り」「気づかい」だ。
言い換えれば「自分は大切に思われている」「私はこの人にとって重要だと思われている」ということを行動や言葉で伝えることだが、これを過不足なくできる人はごくわずかだろう。カンのいい人はすぐにできるが、できない人はいくら教わってもできない、といった類のものである。
あらゆる業界の中で最も気配りが必要とされるのは「落語」の世界かもしれない。
『慶応卒の落語家が教える 「また会いたい」と思わせる気づかい』(WAVE出版刊)の著者で落語家の立川談慶さんが、立川談志さんに弟子入りした当日、師匠から言われたのはただひと言
「俺を快適にしろ」
だったという。
字面だけ見ると傲慢な印象も受けるが、そこには師匠の意図がある。
誰かを快適にするには相手の言動すべてにアンテナを張り巡らせる必要がある。相手が何を求めているかを察知できない人間には、仮に芸を仕込もうとしてもそれを受け取る感受性がない、というわけだ。
まして、落語はお金を払って見にくる客と直に触れ合う仕事。失礼のないような作法としても、気づかいは必要になる。9年半におよんだ弟子生活で身につけた気づかいは、後の談慶さんを大いに助けたという。
■すべては目に表れるそんな談慶さんが、気づかいのポイントとして挙げているのが「目から発せられる情報を読み取ること」。落語家の弟子には、師匠が楽屋で熱いお茶を欲しているかぬるいお茶を欲しているかまで様子や言動から察する、異様なまでに細かい気づかいが求められる。