『スラムダンク』は2位!みんなが「一番感動した漫画」第1位は?

日刊大衆

『スラムダンク』は2位!みんなが「一番感動した漫画」第1位は?

 今や漫画は、日本が世界に誇るカルチャーの一つ。少年少女から大人向けの漫画誌まで発売され、内容も学園ものからスポーツ、バトル、ギャグ、社会派など、ありとあらゆるジャンルがあり、これだけクオリティが高いのは、世界でも日本ぐらいといわれている。

 つまり日本人なら、多くの人は子どもの頃から漫画に親しんでいるわけだ。ということで「一番感動したマンガ」について、20~50代の男女200人に聞いてみた。読者はどんな漫画の、どんなシーンに感動しているのだろうか。

 第8位(2.5%)は『北斗の拳』(集英社)。武論尊が原作、原哲夫が作画の世紀末バイオレンス作品で、1983~88年にかけて『週刊少年ジャンプ』で連載、テレビアニメや映画も好評だった。伝説の暗殺拳“北斗神拳”の伝承者、ケンシロウと彼を取りまく魅力的なキャラがたくさん登場し、敵役のラオウに至っては、ケンシロウと同じぐらいの人気があった。そんなラオウが残した「我が生涯に一片の悔いなし」や、ケンシロウの「お前はもう死んでいる」といった数々の名セリフを記憶している人も多いだろう。

『北斗の拳』を選んだ人からは、「ラオウが死ぬところ」(46歳/男性)、「ラオウとの対戦」(44歳/男性)というように、ケンシロウとラオウの戦いは最高の見どころで、「過酷な時代を生き抜いていく人間模様」(45歳/男性)など、群像劇としての評価も高かった。

 続いて第3位(3%)には『あしたのジョー』『巨人の星』『キャンディ・キャンディ』『ドラえもん』『タッチ』の5作品が選ばれた。

 まずは、高森朝雄(梶原一騎)原作、ちばてつや画による、『あしたのジョー』(講談社)。68~73年にかけて『週刊少年マガジン』で連載されたボクシングがテーマの漫画だ。主人公の矢吹丈(ジョー)の他、丹下段平、宿敵の力石徹など、エッジの立ったキャラが多数登場した。

『あしたのジョー』を選んだ人からは「最後に真っ白になるところ」(59歳/男性)、「すべてやり切った後のラストシーン」(51歳/男性)と、最終回で真っ白に燃え尽きたジョーの姿に感動した人が多かった。「単なるサクセスストーリーでなく最後にチャンピオンに負けてしまうところ」(56歳/男性)といった、ほろ苦いエンディングも印象的だったようだ。連載開始が50年前ということで、50代男性からの支持が際立っていた。

『巨人の星』(講談社)も梶原一騎が原作で、作画は川崎のぼるという作品だ。66~71年にかけて『週刊少年マガジン』で連載されていた。野球がテーマの元祖“スポコン”作品で、主人公の星飛雄馬に対する、父、星一徹の英才教育も圧巻だった。“大リーグ養成ギプス”などの秘密兵器も読者を魅了した。ライバルの花形満、佐門豊作らを相手に、大リーグボールを武器にして戦う姿は、いまだ記憶に新しい。

「星飛雄馬が苦難に耐えて頑張っている姿」(49歳/男性)、「成長過程」(55歳/男性)など、飛雄馬のひたむきな姿が印象的で、「弟を支える姉の姿」(58歳/男性)と、明子姉ちゃんのファンも多かったようだ。

『キャンディ・キャンディ』(講談社)は、75年~79年にかけて『なかよし』に連載された、水木杏子が原作、いがらしゆみこ作画の作品だ。40~50代の女性からの支持が圧倒的で、「初めて夢中になって読んだ漫画、いろんなことがふりかかるけど、けなげに生きていくところ」(55歳/女性)、「恵まれない環境の中、主人公が一生懸命に頑張る姿がよかった」(44歳/女性)という声が見られた。孤児という出自への偏見に負けず、キャンディが成長する生き様は感動的で、少女漫画の王道ともいえる作品だ。

 国民的マンガの一つ『ドラえもん』(小学館)は、藤子・F・不二雄(当時は藤子不二雄名義)による作品で、69年~96年にかけて、『コロコロコミック』『てれびくん』など、小学館の学習雑誌など、複数の雑誌で連載されていた。現在もテレビアニメや映画で続いており、日本におけるメディアミックスの成功例としても知られている。

 22世紀からやってきたドラえもんと、ドジな小学生のび太が繰り広げる日常生活を描いているが、ドラえもんが四次元ポケットから出す道具は、驚きと魅力が満載だ。のび太を取り巻く友人たちとの成長が描かれるストーリーは、読者の記憶にも残っているようで「のび太とドラえもんの友情」(43歳/男性)、「のび太が強くなっていくところ」(36歳/男性)といった、友情や成長を感動した理由に挙げる声が多かった。

 あだち充による『タッチ』(小学館)は、81年~86年にかけて『週刊少年サンデー』にて連載された作品。双子の兄弟である上杉達也、和也と、幼なじみの浅倉南の3人を軸に、恋愛、野球に打ち込むさまを描いた名作だ。コミックスの総売り上げは1億部を超え、アニメや実写化もされた。ちなみに現在は、同作品から30年後が舞台の『MIX』も連載中だ。

「和也が交通事故で亡くなり、兄の達也がその遺志を継ぐシーンが感動的」(39歳/男性)というように、和也が亡くなるシーンは涙なしでは見られない。「最後の甲子園への挑戦」(47歳/男性)という声も見られた。

■第1位は単行本売り上げ3億6000万部以上のあの作品!

 第2位は(8.5%)、井上雄彦による高校バスケがテーマの『スラムダンク』(集英社)。90年~96年に『週刊少年ジャンプ』で連載され、同誌の黄金期を支えた作品だ。不良少年の桜木花道の挑戦と成長が軸になっていて、流川楓をはじめとする周辺キャラも個性的だった。女性人気も高く、今回のアンケートでも、男女半々、幅広い年代からの支持が目立った。怪我が原因で挫折し、一時は不良になった三井寿が、安西監督に対して言った「バスケがしたいです……」、安西監督の「諦めたらそこで試合終了ですよ」など、名セリフも多い。

「ふだん仲の良くない男たちが、ここぞというときに協力し合い、勝利を勝ち取るところ」(56歳/男性)、「チーム内の友情が素晴らしい」(42歳/女性)といった友情、努力、勝利というジャンプ的な流れに対する評価が多かった。他にも「キャラがアツい」(39歳/男性)、「各キャラの立ち位置」(37歳/男性)など登場人物を支持する声、「バスケにかける思いが感動的」(34歳/男性)、「最終回の劇的な内容」(34歳/女性)と、スポコン的な要素など、あらゆる場面で感動を呼んだ作品だったようだ。

「バスケ初心者だった不良の主人公が、仲間との信頼を築きながら成長していき、最後には全国最強のチームに勝つところ。主人公は選手生命に関わるようなケガを負いながらも、試合に出続け、ライバルであるエースと初めての協力プレイによって勝つのだが、その後の、ライバル同士の無言のハイタッチが最高に泣ける」(25歳/女性)と、深い思い入れを感じる意見もあった。

 第1位(9%)には、97年から始まり現在も『週刊少年ジャンプ』で連載中の『ワンピース』(集英社)が輝いた。尾田栄一郎による作品で、海賊王を夢見る少年、モンキー・D・ルフィを主人公に、その仲間が“ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)”を目指す海洋冒険漫画だ。単行本は、日本の漫画では最高の3億6000万部以上も売り上げた。

「出会いと別れ」(47歳/男性)、「仲間を思うところ」(42歳/女性)、「困難を乗り越えながら絆が深くなるところ」(29歳/男性)といった少年マンガの王道的ストーリーを評価する声や、「長旅をともに過ごした船(ゴーイングメリー号)が最後の力を振り絞って仲間を助けに行き、力尽きてお別れするシーン」(37歳/女性)、「サンジが今までお世話になったレストランを離れて、ルフィの仲間になるところ」(33歳/男性)と、ピンポイントでそれぞれが感動したストーリーを挙げる人も多かった。

 今回のアンケートでは、少年少女向けの作品が多かった。みんな、子どもの頃に読んだときの感動が今でも心に残っているようだ。

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