北海道震度7 迫りくる南海トラフ、首都直下型「巨大地震」Xデー① (2/2ページ)

週刊実話



 この活断層は今回の地震とは無関係だが、平田委員長は「震源付近の断層帯がより活動しやすくなった可能性も否定できない。地震発生から1週間程度は最大震度7程度の地震に注意が必要」と、新たな地震発生にも注意するよう呼びかけた。
 北の大地を襲った震度7の大地震については、さまざまな警戒が必要とされている。

 琉球大理学部名誉教授の木村政昭氏が語る。
「日本列島を全体的に見ると、北海道から九州まで太平洋プレートは同じようにプレッシャーをかけてきます。東京から九州にかけてはフィリピン海プレートを通じてですが、北海道の内陸地震の原因になったプレッシャーは関東、東海、四国、九州にもかかってくる。ということは、歪が溜まっているエリアがあれば、それが巨大地震の原因となるということです」

 ちなみに、木村氏が一番心配しているのは、北海道・知床半島の羅臼町で、海岸沿いの海底が約300㍍にわたって隆起したことを挙げている。同地点では海藻やウニなどの海洋生物が多数付着しており、海底が隆起した根拠とされる。
「これは羅臼沖の空白域に太平洋プレートのプレッシャーがかかってきて、周辺が膨らんできたということです。私は“空白域が危ない”と以前から指摘していますが、羅臼のほかに、伊豆、小笠原沖を危険視している。例えば、江ノ島沖の海底が隆起したという報告もありますから。江ノ島沖の隆起や西之島の出現は、伊豆、小笠原沖の空白域にプレッシャーがかかっているためですよ」(同)

 前出の渡辺氏は今の状況を「天地動乱」と形容するが、歴史を紐解いてみると、まさしく江戸時代末期に似ているのだ。

「江戸末期には安政江戸地震が発生し、約1万人の死者が出たそうです。当時は地震の活動期で南海トラフ巨大地震が発生し、高知でも大きな被害が出たことが司馬遼太郎の小説『竜馬がゆく』にも出てきます」(サイエンスライター)

 同時に、九州東部から関東を縦断する大断層の『中央構造線』が活性化し、中央構造線沿いでの巨大地震が相次いだ。

 まず1854年、伊賀上野地震が発生。死者は995人、家屋倒壊2270戸という被害を出した。次いで同年12月には、安政東海地震、安政南海地震という巨大地震が発生している。

 まだある。安政南海地震の40時間後の12月26日には、大分、愛媛の海峡である豊予海峡地震があり、翌1855年には、飛騨地震が発生、そして、ついに同年11月、安政江戸地震が東京を襲ったのだ。
 まるで地獄絵図のような大地震が立て続けに日本列島を急襲したことになる。
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