『半分、青い。』東日本大震災とドラマの新しい関わり方とは?

日刊大衆

※画像はNHK『半分、青い。』番組公式ホームページから
※画像はNHK『半分、青い。』番組公式ホームページから

 SNSなどでも話題になり、ふだん朝ドラを見ない人々からも注目される連続テレビ小説半分、青い。』(NHK)の放送も、残りあとわずかとなった。ヒロインの鈴愛を演じる永野芽郁(18)ら、出演者のコメントやその後の動向が注目されるなど、最終回直前にもかかわらず話題は多い。ここでは9月15日の放送を振り返り、これからの注目ポイントを考えてみたい。

 実家に帰省していた鈴愛はたまたま見つけたモアイ像を見て、100円ショップ大納言の店長、田辺(嶋田久作/63)の、「扇風機の風を壁に当てると風がやわらかくなる」という言葉を思い出す。すぐに律(佐藤健/29)に電話をしてこのアイデアを提案すると、律もこれに賛同する。その後、鈴愛が岐阜から東京の事務所に戻ると、そこには漫画家時代の友人、ユーコ(清野菜名/23)とボクテ(志尊淳/23)の姿が。ボクテは17年間続いた漫画『女光源氏によろしく』の連載をやめたいと告げ、次に鈴愛の原案で以前、ボクテが盗用した『神様のメモ』を描きたいと告げる……という展開だった。

 鈴愛が旧友たちと和気あいあいとしている姿が楽しい回だったが、実は今後への大きな伏線が張られていたようだ。SNSには「今日のユーコはフラグ立てまくり」という指摘もあった。ユーコはこの放送で“仙台の海が見える病院”で働いていると告げていたが、これは今後に大きな影響を及ぼすのではないだろうか。

 そう、今『半分、青い。』で描かれているのは、2010年。2011年3月11日まで、あと数か月しかないのだ。これまで『半分、青い。』は岐阜と東京だけが舞台だったためあまり注目されなかったが、このままいけば東日本大震災がドラマ内で起こることは間違いなく、鈴愛たちにとっても大きな意味を持つことになりそうだ。

■これまでの朝ドラになかった新しい試みとは?

 朝ドラで東日本大震災というと、2013年上半期の『あまちゃん』を思い出すが、これまで朝ドラではこの作品以外で東日本大震災を描いてこなかった。『あまちゃん』は舞台が岩手なので、震災は非常に大きな出来事として扱われていたが、今回の『半分、青い。』とはスタンスが大きく異なる。おそらく『半分、青い。』は東日本大震災を東京目線、あるいは被災地以外の目線で語る、初めての朝ドラなのだ。

 そもそも朝ドラは大正や昭和の時代が描かれることが多かったため東日本大震災は取り上げられなかったが、今後は現代を舞台にした作品では、震災をしっかり描く作品が登場するかもしれない。視聴者には当時、被災した人や、悲しい思いをした人も少なくないだろう。それゆえ震災を描くというのは、かなりデリケートな作業だ。だからこそ『半分、青い。』がどのように震災を表現するのか、しっかりと見守りたい。しかも物語の最終盤だ。震災という大事件が、ただの舞台装置で終わらず、物語に深みを与えることに期待したい。(朝ドラ批評家・半澤則吉)

※画像はNHK『半分、青い。』番組公式ホームページから

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