『まんぷく』が『半分、青い。』よりはるかに“革命的な朝ドラ”である理由

日刊大衆

『まんぷく』が『半分、青い。』よりはるかに“革命的な朝ドラ”である理由

 10月1日より新しい連続テレビ小説まんぷく』(NHK)がスタートした。朝ドラ初のママヒロインとなった安藤サクラ(32)が主演を務めることも話題だが、旦那役の長谷川博己(41)も注目度が高く、彼らの演技には「キュンが止まらない!」「あまりにかわいい」と早くも絶賛の声が相次いでいる。今回は10月6日の放送を振り返り、このドラマの注目ポイントを考えてみよう。

 長女の咲(内田有紀/42)が結婚してから3年、福子(安藤サクラ)はホテルのフロント係の仕事に慣れてきた。そんなある日、咲の結婚式のときに世話になった萬平(長谷川博己)とたまたま再会し、その後、2人でラーメンを食べることになる。話をする中で、実は結婚式以前に電話越しに話をしていたことを知り驚く2人。その後、戦争が始まり世の中が変わりゆく中、萬平は福子の働くホテルに行き、突然、想いを告げるのだった。

 第1週の最後にして、萬平が全力で愛の告白! これにはグッときた。そして新しいな、とも感じさせられた。『まんぷく』は開始からまだ間もないのだが、見れば見るほど革命的な朝ドラだ。その理由を挙げてみよう。

 まずは、萬平があまりに“乙女”だということ。福子に抱く恋心に胸がキューンとさせられた。恋に夢中な萬平は現状、福子とのダブルヒロインのような状態になっていて、こんな“旦那様”役は今までになかった。この9月までの『半分、青い。』では、ヒロイン鈴愛(永野芽郁/19)の相手役がヒロインと性格がまるで違うクールな律(佐藤健/29)だっただけに、見ていてほのぼのしてしまう福子と萬平の恋はかなり新鮮だ。好感度抜群の2人の恋や暮らしは、今後も話題となるはずだ。

■最初の週から名シーンてんこ盛り

 次は今作が、ヒロインの子ども時代を描かなかったということ。これはNHK大阪放送の朝ドラとしては『マッサン』以来、実に4年ぶりのチャレンジとなる。子ども時代を描くことでヒロインの人生そのものを見せる、という朝ドラ特有の演出をあえてしないことで、1週目から安藤サクラ=福子ということを視聴者に印象づけることに成功した。

 最後は、朝ドラ的な見せ場を、あえて“ムダ遣い”したこと。先週の放送では、咲の結婚式の場面が感動的に描かれていた。朝ドラで必ずと言っていいほど描かれる結婚式の場面だが、これまでは物語の中盤や後半で物語のクライマックスで描かれることが多かった。それをまさか第1週に入れるとは、ちょっとびっくりだ。そして、萬平が愛の告白をするなど、第1週なのに早くも名場面を連発している。この名シーンのムダ遣いっぷりが、『まんぷく』のスタードダッシュにつながっているのではないだろうか。

「朝ドラに革命を起こしたんじゃないかと思いました」と前作『半分、青い。』の脚本家、北川悦吏子氏(56)はインタビューで語っていた。しかし『まんぷく』はそれ以上に革命的な作品になるかもしれない。朝ドラらしいほんわかした場面が多く安心できるのも魅力だが、意外性が高い演出、展開も今後は楽しみにしたい。とにかく、すてきな半年間の幕開けを予感させる、素晴らしい第1週の放送だった。(朝ドラ批評家・半澤則吉)

「『まんぷく』が『半分、青い。』よりはるかに“革命的な朝ドラ”である理由」のページです。デイリーニュースオンラインは、まんぷく半分、青い。安藤サクラ永野芽郁内田有紀エンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る