夜の街さまよう女の子のためのバスについて思ったこと:瀬名あゆむのアイドル革命! 連載10

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夜の街さまよう女の子のためのバスについて思ったこと:瀬名あゆむのアイドル革命! 連載10

地域発アイドルプロデューサーの月イチ連載
瀬名あゆむのアイドル革命!

第10回 夜の街さまよう女の子のためのバスについて思ったこと

 こんにちは! 仙台と千葉のローカルアイドル『2ねん8くみ』プロデューサーの瀬名あゆむです。今回は私がちょっと気になったあるニュースについて語ってみたいと思います。
 それはこんなニュースです。

私が夜の街さまよう少女だった頃……

《 ■夜の街さまよう少女のための「巡回バス」 新宿で開始式
 夜の街さまよう少女のための「夜間巡回バス」の開始式が6日、東京・新宿であった。都内の繁華街に駐車し、無料で食事を出したり相談にのったりして、必要な支援につなげていく。
 国と東京都による「若年被害女性等支援モデル事業」の一環。少女向けシェルターの運営などをしている一般社団法人Colaboが新宿区と渋谷区と連携し、バスの駐車場所や電源の提供を受ける。
 仁藤夢乃代表(28)は、(中略)「虐待などで家に居場所がなかったり、修学旅行代や給食費を稼ごうとしたりして、女の子は夜の街に出てくる。相談しようと思いつかない子も多く、積極的に『どうしたの?』と声をかけるのは(中略)あっせんするスカウトたち。支援する側が待っているだけでは限界がある」》(記事の一部を引用抜粋。一部省略)
朝日新聞デジタルhttps://www.asahi.com/articles/ASLB65Q14LB6UTIL01L.html

 私、この記事を読んで、「ほお~っ!」ってなったんですよね。
「夜の街さまよう少女たちのバス? 新宿?」って最初一瞬、「あの〝バ〇ラ! バ〇ラ! バ〇ラ! 高収入~!〟」ってやつ!?」なんて思っちゃったんですけど、全然違うくて(笑)
 夜の街の危険性から女の子を守るためのバスだというじゃないですか。

 まず考えたのは、「私が実際に〝夜の街さまよう少女〟だったころ、こんなバスがあったらどう思ったんだろう……?」ってことでした。
 そう、私、(もう何度もいってますけど)中学1年生から3年生までは芸能スクールのローカルアイドルで、黒髪超まじめ少女だったんですけど、アイドルに挫折してからの高校時代は「金髪ガングロ」の超ギャルで夜遊びしまくってたし、その後、18歳で夜の街で働きだしたのちにAVデビューですからね。
 思い返せばギャル時代、危ないことヤバいことしてた女の子たち、いっぱいいました。
 私のギャル時代は2000年代前半だったので、まだまだあの「女子高生の援助交際ブーム」とかの残り香があったわけですよ。テレクラとかもまだあったし、携帯電話の「出会い系サイト」も大流行してたし。今振り返ると、本当に危険がいっぱいでしたよ。

 でもリアルに振り返って本音を言うと、その時代のギャルな私は「危険」だなんて思ってなかったな。っていうか逆に「危険」を求めてた部分も大きかったかもしれない。とにかく弾けたかったし。正直、お金も欲しかった。〝お金を稼げる女の子の自分〟を楽しんでるって側面が強かったのかも。
 ただね、私の場合、ひとつ一番大きかったことは、「全部、自分で、決めてた」ってことでした。キャバ嬢になるのも、AV女優になるのも、全部自分で決めました。それはまぜかというと、やっぱり原点に「アイドルに挫折した」っていうのがあって、その挫折の大きな要因として「大人たちに翻弄された」っていう思いが強かったのかもしれません。(このあたりの部分、まだ未見の方はぜひ私の本『元アイドルのAVギャル瀬名あゆむ、アイドルプロデューサーになる』(コアマガジン刊)の第1章を読んでやってください)

「夢だったアイドルになれなかったんだから、あとは自分で決めて、自分の好きなように生きていく」みたいな感情が、自分では気づかなくても、強くあったのかな、と思うのです。
 だから私自身は「夜の街」「夜の業界」で嫌な目にも怖い目にもあいませんでしたし、後悔することもなかったんです。
 だから自分の女の子時代に「バス」があっても、もしかしたら「必要ないよ!」ってツッパっちゃってたかもしれません。

危ない場所も、怖い場所も、優しい場所もある

 けど、その後にAVを引退してからアイドル運営者になって、アイドルカフェを経営する立場になったとき、「もし自分がアイドルに挫折したとき、いまのアイドルカフェみたいなものがあったらどうだったんだろう……」ってのは考えました。
 私がアイドルやっていたころは「ローカルアイドル=下積み」みたいな感覚で、全国デビュー・メジャーレコードデビューを果たしてこそアイドル――でしたから。もしいまみたいな多種多様なアイドルの形式・生き方――アイドルカエだったり、ライブアイドル・地下アイドルだったり、インディーズ・アイドルだったり、ネット・アイドルだったり――があったなら、私はキャバ嬢→AV女優って道を歩んだんだろうか……って。

 それはね、もう誰にも、私自身にもわかりません。答えはないと思う。
 そしてね、私はあの時代、少女から女になってった時代、やっぱりとっても幸運だったんだと思います。あれだけいろんなことして、全然平気だったんだから。
 でもそれは私がそうだった、ラッキーだったってだけで、他の女の子たちに当てはまるわけではありません。私だってアイドルプロデューサーになってから、「ストーカー事件」にあって、警察署に駆け込んだりした経験もあるわけだし。

 いまの私は、「夜の街さまよう少女のための巡回バス」、大賛成です。
 運営されてる方々、自治体の皆様には女性のひとりとして感謝したいし、頑張ってほしいです。
 私自身は全部自分で決めてきたなんて言ってますけど、自分で決めるにしても選択肢は多い方がいいに決まってるんです。悩んだとき、困ったとき、怖い目にあったとき、相談に乗ってくれる場所があるというだけで、女の子の気持ちは全然変わってきますから。
 危ない場所もあるし、怖い場所もあるし、優しい場所もある。
 それが世界だと思います。
 だからこそ 「優しい場所」をひとつでも多く増やしていこうという気持ちを大切にしたいとも思います。

 アイドルカフェって、自分で経営してて思うんですけど(自分の店だからかもしれないけど)、とっても平和でラブリーな空間だなぁってつくづく思うんですよ。
 以前に東京から取材にこられてた男性の風俗ライターさんがこんなこと言われたんです。
「昔、東京には『女子高生デートクラブ』が何十軒もあって、一見するといまのアイドルカフェに似てましたよ。制服姿の女の子がいて、男性客がいて。でも一番絶対に違うのは、『デートクラブ』が援助の巣窟で、アイドルカフェは真逆で平和だってことですよね。そういう意味で、アイドルって概念、凄いです」って。
 私は、「平和のほうがいいですよね。女の子も男性のお客さんも両方が平和なほうが、絶対幸せですよね」と言いました。
 みなさんも、そう思いませんか?

写真:瀬名あゆむ

<月1回月曜連載>※「南にこ」の月1回連載と交代で掲載

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【瀬名あゆむ:プロフィール】
仙台&千葉のローカルアイドル『2ねん8くみ』プロデューサー。10代の頃に北海道のローカルアイドルとして活動し、メジャーデビュー寸前で挫折。その後、地方局TVレギュラー出演等をへてAV女優となり累計800本以上に出演した。1985年生まれ・さそり座・A型。

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