「学歴フィルター」があぶりだす日本の社会問題 (2/2ページ)

ブッチNEWS


 福島さんは、炎上の裏にあるのは、現代の日本の「裕福な家庭に有利」な進学事情があるのではないかと指摘しています。本にも書かれているのですが、一般の子育て世帯の年収1,000万円以上は16.9%、それに対して東大生の保護者世帯の40.4%が年収1,050万円以上! そして、子供の学力と世帯収入にはハッキリと相関関係があることが、お茶の水女子大の研究などでも明らかにされているそうです。
 私は個人的に私立中学の取材を4年ほど続けていますが、その実感としても、私立中から高校受験ナシで付属高校に上がって国公立コースなどで鍛えてもらうか、指定校推薦をもらうかしたほうが、国公立大・難関私大には入りやすい、と感じます。つまり、手をかけ、お金をかけて育てられた子供たちのほうが、日本では有利な学校歴を獲得しやすいんですね。「学歴フィルター」の中でも指摘されていますが、学費の安い国公立大学に、富裕層の子供が多く進学しているというのが日本の実情です。
 この問題を解決するには、高等教育を無償化し、学校歴を実力主義にするしかないのではないか、と福島さんは提案しています。それは理想論としても、現在、偏差値のあまり高くない、いわゆる「低選抜大学」に在籍している人はどうすればいいのか。その突破口も、福島さんは「学歴フィルター」の中で紹介しています。
 いずれにしても、「学歴フィルター」に我々がこんなにも敏感に反応するのは、やはり収入や家庭の格差が広がりつつある日本の現状を表わしている気がします。個人の努力で突破できれば言うことはないですが、不公平な格差に関しては、社会的な調整も期待したいですよね。

(文/吉田直子)

「学歴フィルター」は780円(税抜)で小学館より発売中(福島直樹著/小学館新書)
https://books.rakuten.co.jp/rb/15470388/
小学館の商品ページ:
https://www.shogakukan.co.jp/books/09825327
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